ジャカード織がもたらす新たな美的フェーズ
ワタリウム美術館 B1Fのオン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリーで、ポーランドの現代美術作家 スタフ・シュムスキーによる個展「ジャカード・テストVol.2」が、2025年4月1日(火)〜5月30日(金)まで開催される。なお、本展の企画協力は、公共空間や路上を舞台としたアートプロジェクトを展開し、ワタリウム美術館でも大規模展覧会を行ったコレクティブSIDE CORE(サイドコア)」による。
スタフ・シュムスキー(Stachu Szumski)は、1992年ポーランド・グダニスク生まれ。先史時代の壁画、新石器時代のペトログリフや中世のシンボルから、現代のグラフィティや解体されたロゴタイプまで、人々のコミュニケーションに使われてきた図像的モチーフを引用および解体して作品を制作している。
本展では、自身が近年集中して取り組んでいる「ジャカード・テキスタイル(ジャカード織)」を取り入れた作品を披露。2024年にV9 Gallery(ワルシャワ)で初めて発表された作品シリーズの新作を展示する。
「ジャカード織」とは、ジョゼフ・マリー・ ジャカール(仏・リヨン市)によって、最も初期のプログラム可能な織機として発明されたもの。以降、IBMが現代のコンピュータを開発するために使用したデジタルコンパイラの初期バージョンなど、他のプログラム可能な機械の開発にも重要な役割を果たした。
「ジャカード織」により、絵画や写真といったアナログ作品を、原始的な低解像度のデジタル・ユニバースに持ち込むシュムスキー。本展の作品群は、形・色のつながり・テクスチャーの最大限の多様性を実験する試みとして、シュムスキーの作品に新たな美的フェーズをもたらすものとなる。
テクノロジーと人間の関係性への独自の視点のもとに、視覚的コミュニケーション・ツールを大胆に用いた図像として提示される本作品群。シュムスキーの実験を通して、オモハラエリアに無数に存在する視覚的表現への見方も刷新されるかもしれない。
■概要
スタフ・シュムスキー個展「ジャカード・テストVol.2」
開催期間:2025年4月1日(火)〜5月30日(金)
開催場所:オン・サンデーズ&ライトシード・ギャラリー
住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6 オン・サンデーズ B1F
電話番号:03-3470-1424
営業時間:11:00-20:00
定休日:なし
協力:SIDE CORE
助成:アダム・ミツキェヴィチ・インスティチュート
■画像クレジット
1.Dungeon Keepers I, 2024
2.Borderline, 2024
3.Devil Martir, 2023
4.Tissue Decomposer, 2024
5.Brain section, 2024
6.アーティスト近影
Stach Szumski, 2025
>>EDITOR’S VOICE
ギャラリーから徒歩3分。駐日ブラジル大使館では「セルジオ・ロドリゲス & リカルド・ファザネロ展」が開催されます。2人のデザイナーが生み出した家具の数々から、近年注目を集める「ブラジリアン・モダニズム」 の本質を探る本展。その奥深き世界に足を踏み入れてみてください。
※敬称略
Text:Rumi Hasegawa
INFORMATION
ワタリウム美術館 B1Fで 現代美術作家 スタフ・シュムスキー 個展「ジャカード・テストVol.2」が開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-7-6 オン・サンデーズ B1F
- 電話
- 03-3470-1424
- 営業時間
- 11:00-20:00
- 定休日
- なし
- 開催期間
- 2025年4月1日(火)〜5月30日(金)
- 長谷川瑠美
外部ライター
