
【Direct News】街を歩いて発見したトピックスを紹介
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表参道交差点角地のイベントスペース・OMOTESANDO CROSSING PARKで、アート展「Made in 青森 −自然と歴史の交差点」が、2025年2月24日(月・祝)まで開催中。
表参道駅A4出口を上がってすぐ、どでーんと視界に入ってくる「青森」の看板が目印。道路標識のようなデザインを眺めていると、若かりし10代の頃の東京⇄青森ドライブの記憶が蘇ってきた。
青森県に縁ある現代アーティストたちの作品を紹介する本展。本州最北端に位置し、雄大な自然と長い歴史が織りなす独自の文化を持つ土地の奥深さが、現代アートにどう息づいているかを見ることができる。
岩根 愛
こちらは、広大な自然を感じさせる写真家・岩根愛さんの作品。八甲田山の樹木が太陽の熱を反射し、根本に広がる雪の穴「根開き」が映し出されている。雪から覗く緑が春を感じさせてぽかぽかした一枚。
「イカ/壺」桝本佳⼦
青森の自然と言えば、海もそのひとつ。日本海、津軽海峡、太平洋と三方を海に囲まれ、中央には陸奥湾。海に恵まれた青森を表すかのように、会場中央には大きな「イカ/壺」が。
こちらは、陶芸家・桝本佳⼦さんの作品。壺自体がイカの姿に変貌を遂げ、豪快に魚を捉えている描写が生々しい。
「東北ロケンロー! Guitar Girl」奈良美智
世界的に活躍する美術家・奈良美智さんは、青森県弘前市生まれ。高校時代には、東北の町で友人とロック喫茶を作ったとか。代表的な作風の”鋭い目の少女”が、絵画の中で激しく音楽を奏でている様子がお茶目。
「おでんの為の土偶」深井聡一郎(L PACK.)
こちらは、アートユニット・「L PACK.」による「彫刻おでん屋台」の1作品。タイトル通り、土偶などの彫刻型からおでん種を作るプロジェクトらしい。玉こんにゃくを土偶の形に切り取ったら、手足がぷるんぷるんしてかわいいと思う。
ちなみに青森市周辺では、すりおろし生姜入りの味噌だれでおでんを食べるんだって。雪国ならではの栄養たっぷりな食べ方で、想像するだけで体が温まる。
「Fading into the Silence」蜷川実花 with EiM
会場裏に回ると、写真家・蜷川実花とクリエイティブチーム・EiMによる大きなトレーラーハウス作品が。カラフルなお花に、まるで花の蜜を集める蝶のように無意識に引き寄せられてしまう。
「Fading into the Silence」蜷川実花 with EiM
お花でぎゅうぎゅうのトレーラーハウスの内部は、なんと入ってOK。お花に触れないように慎重に正面へ。蜷川実花さんは弘前の桜が大好きだそうで、作品の背景部分にももちろん、弘前の桜が咲き乱れている。
会場外には、岩根愛さん・吉田真也さんによる大型映像展示も設置され、こちらは24時まで鑑賞可能。表参道で交差する、青森県の文化とアートをぜひ鑑賞してみて。
■Made in 青森 −自然と歴史の交差点
開催期間:2025年1月24日(金)〜2月24日(月・祝)
開催場所:OMOTESANDO CROSSING PARK
住所:東京都港区南青山5-1-1
開館時間:10:00-20:00
定休日:会期中なし
主催:anonymous art project
協力:青森アートミュージアム5館連携協議会
キュレーション:木村絵理子(弘前れんが倉庫美術館館長)
出品作家:
岩根愛/工藤麻紀子/小林エリカ/⽥附勝/奈良美智/桝本佳⼦/三村紗瑛⼦/吉田真也/L PACK./ 蜷川実花 with EiM
Text & Photo:Rumi Hasegawa
- 長谷川瑠美
外部ライター