原宿・神宮前に顕現した、スーパーフラットモノグラムワールド
年末年始、表参道・原宿のビッグトピックスとして盛り上がっている「LOUIS VUITTON × MURAKAMI」コラボポップアップ。仕事始めで原宿の街に降り立てば、ブランドアンバサダー・ゼンデイヤによる20年ぶりのコラボレーションを祝う広告写真があちこちに飾られていた。
ポップアップについての情報は先に公開されているニュース記事も参考にしてほしい。
>>「LOUIS VUITTON × MURAKAMI」ポップアップストアが原宿・キャットストリートにオープン コラボ20周年記念
20年の時を経て、センセーショナルな両者が再びガッチリ手を組んだ今回のコラボコレクション。その震源は原宿・神宮前である。連日、列を作っている期間限定のポップアップに足を運んだ。
マルチカラーモノグラムが紡ぐ、“スーパーフラット”なオデッセイ「LOUIS VUITTON × MURAKAMI」ポップアップを巡る
ポップアップは神宮前6丁目、キャットストリートの3箇所で行われている。まずは実際の商品が販売されているポップアップショップへ。時間帯によっては並ぶが行ったときは5分ほど待ってすんなり入れた。
中に入ると専属のスタッフがアテンドしてくれ、商品についてはもちろん在庫状況も丁寧にガイドしてくれる。この日はミンクで仕立てられたマルチカラー・モノグラムのマフラーが入荷。会期中でスタッフさんも初めて現物を見たレアアイテムだそう。
LV × TM ミンクマフラー・モノグラム マルチカラー 1,039,500円(税込)
スタッフに案内されるなんて緊張する。または煩わしい。などと思う人もいるかもしれないが、実際案内してもらった方が何倍も(※個人の体感です)楽しめるはずだ。プロの知識と接客技術を持った友達だと思ってポップアップショップを巡ろう。
20年前のマルチカラー・モノグラムコレクションをリペアするサービスのデモンストレーションも行われていた。実際のサービスとして今後展開される予定だそう。
商品は会期中、逐一入荷する模様。ほとんど完売してしまって品薄、なんて話も事前に聞いていたけど想像よりも商品が供給されていた印象。レザーのウォレットなど比較的手に取りやすいアイテムも販売されていた。スニーカーはサイズが限られてしまったり、人気のバッグ、小物などは完売してしまっているものが多かった。
本コレクションのアイコンキャラクター「パンダ」親子の大きなオブジェや、イマーシブシアターで村上隆とのマルチカラーコレクションがデビューした2003年、続く2009年に公開された短編アニメ作品「SUPER FLAT MONOGRAM」と「SUPER FLAT FIRST LOVE」のリマスター版も観られる。
次に足を運んだのはThe Massと、その隣、StandByでオープンしているCAFE。今回3箇所を回って、いちばん入るのに時間がかかったのはCAFEである。
とは言っても、受付予約を取って整理券を発行してくれるので周辺で待っていればOK。1時間ほどランチをしてから戻ってすぐ入ることができた。スマホからリアルタイムで待ち人数も確認できるので安心だ。
CAFEでは限定のコラボカフェメニューをインスタレーションを見ながら楽しむことができる。村上隆の「お花」がかわいらしい抹茶ラテを注文した。京都辻利のお抹茶を使用した本格派だ。村上隆が率いるアートカンパニー・カイカイキキの本拠地、中野ブロードウェイにある「純喫茶ジンガロ」の原宿出張版といった具合。
ホット抹茶ラテ 930円(税込)お花のラテアートとマルチカラーのカップ、パンダのスリーブとパッケージにテンションがアガる
インスタレーションは中央に「パンダ」のオブジェ、周囲をぐるりと囲むディスプレイにはポップアップショップでも上映されていた「SUPER FLAT MONOGRAM」と「SUPER FLAT FIRST LOVE」のリマスター版。ポップアップショップで観るよりも横長のダイナミックな臨場感が味わえる。劇中、表参道周辺らしき場所が映し出されるのにも注目だ。
The Massでは過去の村上隆のコラボコレクションのアーカイブアイテムを見ることができる。外装までマルチカラーに彩られた今しか見られないThe Massの姿は圧巻。
ビビッドな黄緑色の空間、お花の中に浮かぶ、「サクラ」こと「モノグラム・チェリーブラッサム コレクション」や「マルチカラー・モノグラム」。20年の時を超えてなお、新鮮に目に飛び込んでくる。まるで空間まるごとタイムカプセルのようだった。
ルイ・ヴィトンと村上隆のコラボ20周年を祝う、「LOUIS VUITTON × MURAKAMI」ポップアップ。20年前、ビッグメゾンとアーティストがコラボして、ルイ・ヴィトンのデザインに自由な彩りを与えたアーティストは村上隆をおいて他にいないくらい、サプライズだったし衝撃的だった思い出がある。
時代は巡り、そのころの熱狂を彷彿とさせたのがルイ・ヴィトンのメンズクリエイティブディレクターだった故・ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)であり、その意志を継ぐ現・メンズクリエイティブディレクターのファレル・ウィリアムズ(Pharrell Williams)なのかもしれない。などとあらためて思った次第。
両者に当時から大きな影響を与えてきたあであろう村上隆は、人々を視覚的に楽しませる“気持ちの良いツボ”を熟知している気がする。
そんな氏が提唱する“スーパーフラット”(※村上隆が示す、現代美術の芸術運動および概念。さまざまな時代の多岐にわたる平面絵画を指し、アニメーション、ポップカルチャー、ファインアート、キャラクター文化などが含まれる)な感性と世界観が、ルイ・ヴィトンのエレガンスと出会うとき、見る者を魅了する魔力を発する。それを体感できたポップアップだった。
ファッションを専門としていないので素人肌でしか語れないが、今回のポップアップを見る限り、ルイ・ヴィトンはいまだにその輝きを増し続けているように思う。2025年の年明けを明るく照らすようなポップアップは今体感するのにピッタリな展示。ぜひ足を運んで、1年の始まりをカラフルに彩ってみてほしい。
■ルイ・ヴィトン × 村上隆 ポップアップストア
(LOUIS VUITTON × MURAKAMI POP UP STORE)
会期:2025年1月2日(木)-1月26日(日)
住所:東京都渋谷区神宮前6-14-2
電話:0120-00-1854
(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)
営業時間:11:00-20:00
※1月15日(水) は18:00 まで
定休日:
1月8日(水)& 17日(金)は休業
※混雑時には入場制限を行う場合もございます
〈関連イベント〉
LOUIS VUITTON × MURAKAMI カフェ&デジタルインスタレーション
LOUIS VUITTON × MURAKAMI アーカイヴ展示
会期:2025年1月2日(木)-1月26日(日)
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-1
営業時間:11:00-18:00
定休日:1月8日(水)& 17日(金)は休業
※混雑時には入場制限を行う場合もございます
※敬称略
Text & Photo:Tomohisa Mochizuki