幻のレイライン|表参道の延長線上に昇るもの:OMOHARA TIPS Vol.10
表参道・原宿エリアの文化や歴史にまつわるちょっとしたネタをご紹介する「OMOHARA TIPS」。今回はオモハラを貫くメインストリート、表参道をピックアップ!
表参道が明治神宮への参道であることは広く知られている。では一年に一度だけ表参道に“特別な瞬間”が訪れることはご存知だろうか?年の瀬が迫る時期にこそ知っておきたい、表参道に隠された秘密とは?
特別な瞬間は冬至の朝に訪れる
冬至とは一年のうちもっとも日照時間が短くなる日。夏至から冬至に向けて徐々に日は短くなり、冬至を境に日は延びていく。太陽が力を取り戻す「再生の日」と称されることもあるという。
そんな冬至の朝、太陽は明治神宮の参道である表参道の延長線上から昇ってくるのだ。
明治神宮の建立は1920年、表参道が整備されたのは1919年のこと。太陽の光が参道を通って明治神宮に差し込むのは、偶然ではなく必然だろう。航空写真をみると、表参道が明治神宮にまっすぐと伸びている様子が見て取れる。
空中写真(2019)で見ると明治神宮に向かってまっすぐ伸びる表参道がよくわかる 提供:国土地理院©
では、なぜ冬至の朝に明治神宮が照らされるように設計されたのか。その理由は明治神宮の建立目的にある。
明治45年(1912)に明治天皇が、大正3年(1914)に昭憲皇太后が崩御になりましたが、国民から御神霊をおまつりして御聖徳を永久に敬い、お慕いしたいとの熱い願いが沸き上がり、御祭神とゆかりの深い代々木の地に創建されました。 以来、明治神宮では皇室の弥栄(いやさか)とわが国の隆盛、世界の平和をお祈りしています。
明治神宮HPより抜粋
国民に親しまれ敬われてきた明治天皇と皇后。再生や復活を意味する冬至の日の出で明治神宮を照らすのは、復活を願う国民の祈りだったのかもしれない。
冬至の日の出は、毎年およそ6時47分頃。
夜明け前の街の静けさを肌で感じながら、表参道が明治神宮のレイラインとなる貴重な機会をぜひ体験してみてはいかがだろうか。
実際に冬至の日の出を体験したコラムはこちらをチェック!
編集部撮影による冬至の日の出動画。太陽が姿を表すのは1分20秒頃から。
Text:Yuya Tsukune
Photo:OMOHARAREAL 編集部
- オモハラリアルスタッフ
OMOHARAREAL編集室