器たちの横顔に宿る個性的な表情を覗く
神宮前5丁目、GYRE B1FのCIBONEにて、作家・田宮亜紀(Tamiya Aki)の個展「田宮亜紀の横顔」が開催される。2024年9月14日(土)〜 9月29日(日)まで。開催前日の9月13日(金)18:30より、作家在廊のオープニングレセプションを実施。
田宮亜紀は東京都生まれ、1996年に陶器の産地として知られる益子(栃木)で築窯した作家。陶芸家の今成誠一や青木亮との交流を重ね、1999年より静岡に拠点を移す。無釉の焼締にこだわり、穴窯で壺を中心とした作陶を続け、そのプリミティブな作風が注目を集めている。
本展では、大皿、鉢や大壺など、土の表情豊かな400点以上の作品が並ぶ。壺は、自然豊かな静岡の工房の穴窯で、火を入れてから10日間薪をくべ続け、焼き上げたもの。まるで土の中に埋もれるかのように、灰をたっぷりと被って窯変した美しい自然の表情を見せてくれる。また、大皿と鉢は、徐々に手に馴染んでいくことを予感させるようなざらつきのある手触りが特徴的。これら、通常の作品展では並ばない大型の平皿や鉢などから、素朴で力強い魅力を感じ取ることができる。
展示タイトルにある”横顔”は、田宮が自身の作品について語ったり触れたりする時の、にじみ出る高揚感と無邪気さから。本展では、田宮が純粋に土との対話を楽しむその”横顔”を彷彿とさせるような、焼き物の新しい愛で方を定義する。器の”横顔”は、窯の中で最も火に触れる部分であり、膨大な作品群は、それぞれが個性的な表情を持ち合わせていることに気付かせてくれる。
純粋な対話を通して形作られる器たち。比較するでもなく、ただそれぞれの"横顔"を覗き込むという行為は、日常においても意識したいことだ。豊かな自然の中で焼き上げられた田宮の作品、そのひとつひとつの表情を表参道の街でじっくり見つめてみてほしい。
■概要
田宮亜紀の横顔
開催期間:2024年9月14日(土)〜 9月29日(日)
開催場所:CIBONE
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE B1F
営業時間:11:00‐20:00
定休日:会期中なし
企画協力:うつわ祥見 KAMAKURA
PHOTO:KEIICHI SAKAKURA
■オープニングレセプション
開催日時: 9月13日(金)18:30-20:30
■作家在廊日
9月13日(金)・14日(土)・15日(日)
>>EDITOR’S VOICE
CIBONEからキャットストリートを跨いで徒歩2分。伝説のバー・原宿ペニーレーンが、毎週木曜・金曜限定で「MUSIC BAR」営業をスタート!シティポップからソウル、ジャズ、テクノまで多岐にわたる音楽を楽しめます。かつてのフォークソングの聖地が、再びの集い場になること間違いなしです。
※敬称略
Text:Rumi Hasegawa
INFORMATION
表参道・CIBONEにて静岡で作陶する田宮亜紀の個展「田宮亜紀の横顔」が開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE B1F
- 営業時間
- 11:00‐20:00
- 定休日
- 会期中なし
- 開催期間
- 2024年9月14日(土)〜 9月29日(日)
- 長谷川瑠美
外部ライター