パンチングボールと連動した作品も披露
南青山4丁目のFeb gallery Tokyoにて、倉科明尚(くらしなあきなお)の個展「とうきょう普通人」が開催される。2024年8月31日(土)〜9月16日(月)まで。
倉科明尚は東京都生まれ、東京藝術大学先端芸術表現科修士課程修了の経歴を持つアーティスト。高校/大学受験時に何百枚にもわたる自画像を描いたことをきっかけに制作を開始し、アニメーション、ドローイング、油絵、刺繍などさまざまな手法に取り組んでいる。
本展では、物語を駆動させる人物を「特別人」、抗う術なく状況に飲まれていく人物を「普通人」と仮定し、映画などの劇中で目にするエキストラ、すなわち「プロの普通人」を描く。「普通人」絵画作品を中心に、倉科自身が演じる「究極の普通人」が描かれた自画像「パンチングアニメーション」(パンチングボールを殴ることで映像が進むアニメーション作品)が展示される。
「”ここに描かれている人たちの目の前では一体何が起きているのか”。そう問われたとき、はっきりと答えを出すのは難しい。表面的なことだけでは把握しきれない状況がたくさんあるからこそ、あらゆる物事は一歩引いて考える必要があるのではないか。」(一部抜粋)
と、アーティストステートメントを記す倉科。白い背景に描かれた人々の、何が彼らを普通人たらしめるのか。倉科はモチーフの「普通人」ひとりひとりに自身を重ね描くことで、普遍性の自認と同時に、”普通である”とはどういうことなのかを研究し続けている。
時代を追うごとに、”普通”という言葉の意味がぼやけていくのを誰しも感じ取っているはず。”普通である”を模索することは、言葉の意味に反して自分だけの核を見つける行いなのかもしれない。Feb gallery Tokyoにて倉科の作品と対峙し、新たな視点を獲得してみて。
■概要
Akinao Kurashina solo exhibition 「とうきょう普通人 TOKYO ORDINARIES」
開催期間:2024年8月31日(土)〜9月16日(月)
開催場所:Feb gallery Tokyo
住所:東京都港区南青山4-8-25
電話番号:03-6459-2062
営業時間:13:00-20:00
定休日:月曜日・火曜日
※9/16(月)敬老の日は通常営業します。
>>EDITOR’S VOICE
会期中の9月7日(土)、ギャラリーの位置する南青山エリアで「南青山EAT&JAZZストリート2024」が開催されます。南青山の3つのライブハウスと青山グランドホテル、近隣22店舗によるジャズと飲食をクロスオーバーした街フェスイベントで、”日本一クールな商店会の文化祭”を味わってみてはいかがでしょう。
※敬称略
Text:Rumi Hasegawa
INFORMATION
南青山・Feb gallery Tokyoで倉科明尚の個展「とうきょう普通人」が開催 普通であるとはどういうことか
- 住所
- 東京都港区南青山4-8-25
- 電話
- 03-6459-2062
- 営業時間
- 13:00-20:00
- 定休日
- 月曜日・火曜日(9/16は通常営業)
- 開催期間
- 2024年8月31日(土)〜9月16日(月)
- 長谷川瑠美
外部ライター