瞑想的な世界観に浸る
「ミヤシタパーク(MIYASHITA PARK)」3階のギャラリー「SAI 」にて、菅原ありあによる個展「Black Water」が開催される。期間は2024年8月23日(金)〜9月8日(日)。
菅原ありあは、日本画のようでもあり現代アートのようでもある作風が特徴の墨絵アーティスト。アメリカ・アリゾナと札幌という大自然に囲まれた2つのルーツを持ち、自身の生活から生まれる感覚を和紙と墨を用いて表現している。展覧会のタイトル「Black Water」は、菅原が制作活動中に筆を洗う工程で得たインスピレーションに由来するという。
美術系の高校に進学し、木炭デッサンを学ぶだけでなく、早稲田大学とユニバーシティ・オブ・ブリティッシュコロンビア (UBC) では、植物や動物の生態、大地や岩石の形成、動物の生態、人間の脳の発達など、自然物に関する科学の知見を深め、さまざまな創作活動を続けてきた。モノクロの作品でありながら、底知れない奥行きの広さを感じるのは、そんなバックグラウンドに由来するのかもしれない。
本展は全て新作で構成され、菅原にとって最大規模の展覧会となる。水に溶ける墨の色がやわらかい黒に変化し、辺りを包み込む。この「暗い水」から生まれる不安や好奇心をテーマに展示される新作群には、その世界で生きる命や物体が繊細に描かれている。
これまでも独自の姿勢を持ち制作に用いる素材のポテンシャルを引き出すスタイルで多くの人を惹きつけてきたが、さらに今回はさまざまなサイズの掛軸や風炉先屏風(ふろさきびょうぶ)、巻物など、伝統的な様式に作品を落とし込むという新たなプロセスを添加。よりディープな一面が観られるとのこと。新鮮な進化と深化を遂げたことで、見るものを”瞑想的な世界”へと誘ってくれるはず。
本展は、作品とゆっくり向き合いながらディテールを楽しめる場所になると、菅原はリリースに寄せている。ミヤシタパークという人が行き交う活気あふれる施設の中で、浮かぶように佇むモダンな墨絵と向き合う機会はそうないだろう。静かに自身の心と対話するような時間を過ごしてほしい。
■クレジット
画像1:650 × 800 × 25 mm, Japanese washi paper, Sumi, 2024
画像2:frame: 1095 × 310 mm / image: 540 × 210 mm, Japanese washi paper, Sumi, 2024
画像3:650 × 800 × 25 mm, Japanese washi paper, Sumi, 2024
画像4:655 × 540 × 21 mm, Japanese washi paper, Sumi, 2024
画像5:655 × 540 × 21 mm, Japanese washi paper, Sumi, 2024
■概要
Black Water
開催期間:2024年8月23日(金)〜9月8日(日)
開催時間:11:00〜20:00
開催場所:SAI
住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10 RAYARD MIYASHITA PARK South 3階
電話番号:03-6712-5706
定休日:なし
>>EDITOR’S VOICE
SAIから徒歩10分。国連大学では、多数のメディアに登壇し、「ギョギョ!」のフレーズでお馴染みのさかなクンが登壇する学習イベントが8月23日(金)に開催されます(募集締切済)。併せて「SDGs全国子どもポスターコンクール」の受賞作品展も行われるなど、今後も世代を超えて楽しめる学習イベントに期待が高まります。ぜひ足を運んでみてください。
※敬称略
Text:Kosuke Hori
INFORMATION
墨絵アーティスト・菅原ありあによる個展がSAIで開催 自身最大規模そして全て新作の展覧会
- 住所
- 東京都東京都渋谷区神宮前6-20-10RAYARD MIYASHITA PARK South 3階
- 電話
- 03-6712-5706
- 営業時間
- 11:00〜20:00
- 定休日
- なし
- 開催期間
- 2024年8月23日(金)〜9月8日(日)
- オモハラリアルスタッフ
OMOHARAREAL編集室