あなたが見ているリンゴは赤い?それとも?
神宮前6丁目のBLOCK HOUSE 2F、HARUKAITO by ISLANDにて、河野未彩の個展「宙 飛ぶ リンゴ - APPLE in the SKY – 」が開催中。2024年6月14日(金)〜7月14日(日)まで。
視覚ディレクター/グラフィックアーティストとして活動する河野未彩。音楽や美術に漂う宇宙観に強く惹かれ、2000年代半ばから創作活動を始める。これまでに、視覚効果のある現象や女性像に着目した色彩快楽的な作品を多数発表してきた。2023年のLOVUS galleryの個展では、色彩の中からあえて”無”を捉えるという実験的な作品群も展開。また、河野考案の、多色の影をつくる照明「RGB_Light」は、日米特許を取得し製品化まで実現している。
本展は、「レンチキュラー」という、見る角度によって絵柄が変化したり3Dのような立体感が得られたりする印刷技術の、新たな可能性を探求する展示となる。曖昧な色や交錯する文字などを用いた、抽象と具象の間を表現するような新作が多数並ぶ。
タイトルにもある「リンゴ」には、河野自身の幼少期のエピソードが関係する。「”この世のモノを全て挙げて”と問われると、まず”リンゴ”と答えると決めていた」と、ステートメントにて語る河野。今もなおそのことを周期的に思い出すことから、まるで”思考という宇宙空間において、リンゴが軌道にのって度々現れるかのよう”に捉えたのだという。
ニュートンやアダムとイヴの禁断の果実、iPhoneなど、リンゴを象徴やメタファーとする例は多く存在する。河野は、リンゴが1番である理由を、自らを形成してきた概念や人物、物質が全てリンゴにまつわるからだと考える。
一般的に”リンゴは赤い色”という固有イメージがある。しかし、自分が見ている赤は他者が指す赤と同様だろうか、と疑問を抱く河野。本展は、人それぞれが持つ言葉や感情があることを認め、まるで非平衡状態の世界において、鑑賞者が自分にとって唯一の軌道にのることを促す。
ギャラリーからすぐのキャットストリートには、実は長野県・飯田市座光寺地域から贈られたリンゴの苗木が植えられている。河野が“象徴やメタファー“として捉えるリンゴは、原宿においても座光寺との“交流の証“として存在するのだ。偶然にもりんごに縁ある場所で、河野の描く「宙 飛ぶ リンゴ」はどう映るのか。ぜひ展示に足を運んで感じてみてほしい。
■概要
河野未彩 個展「宙 飛ぶ リンゴ - APPLE in the SKY – 」
開催期間:2024年6月14日(金)〜7月14日(日)
開催場所:HARUKAITO by island
住所:東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F
営業時間:13:00-19:00
定休日:月曜・火曜・水曜
>>EDITOR’S VOICE
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※敬称略
Text:Rumi Hasegawa
INFORMATION
神宮前・HARUKAITO by islandにて河野未彩個展「宙 飛ぶ リンゴ - APPLE in the SKY – 」が開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 2F
- 営業時間
- 13:00-19:00
- 定休日
- 月曜・火曜・水曜
- 開催期間
- 2024年6月14日(金)〜7月14日(日)
- 長谷川瑠美
外部ライター
