音の調和のような色彩の融合
神宮前のNANZUKA UNDERGROUNDにて、モリマサト(Masato Mori)の新作個展「ヒゴロノオコナイ」が、2024年5月25日(土) 〜7月7日(日)の期間で開催される。
モリマサトは、1976年徳島県生まれのアーティスト。2021年にはNANZUKA UNDERGROUNDのこけら落としとして、個展「Lonsdaleite Year」を開催した。本展は、その続編とも言える、モリの徳島での日常生活を綴った絵日記シリーズの最新章である。蝶やカミキリムシといった昆虫の採集、海老や小魚などを獲る川遊び、猫やヘビ、カラスといった動物たちとの暮らし、藤やバラ、向日葵など様々な草花の育成、そして祖父から引き継いだ自宅の一軒家を丸ごと作品化するための改造。そういったさまざまな経験を結晶化させるために、モリはキャンバスへと向き合う。
今回の新作では、旧友の5iveとPowderという2人のDJとの交友関係による影響で、絵画とアンダーグラウンドミュージックの相関関係を示唆する試みが見て取れる。ひとつひとつの音の調和によってグルーブを生み出すダンスミュージックの世界は、モリが創作活動の中で最も重要視する色彩の融合を、音の調和として捉えるきっかけを与えた。
不快な音と心地良い音があるように、あるいは意外な組み合わせの音が新鮮な印象を与えるように、色彩にも快感や驚きがあるということを突き詰めて探求するモリ。自らメインビジュアルとして選んだ作品「ウンコのバンドウ」では、より抽象化を推し進めた実験的な画面に挑戦し、その作品タイトルから全く想像もつかない、美しく力強い色彩が調和する画面を実現している。本展において、モリは大作のキャンバスを中心に15点以上の新作の絵画、そして4点のブロンズ製の自画像彫像作品を発表する予定だ。
神宮前の街と親和性の高い、アートとダンスミュージックの世界。展示された絵画や彫像作品から、さまざまな音色が聴こえてくるかもしれない。
■クレジット
画像1:Masato Mori,ウンコのバンドウ,Unko no bandou,2024,Oil paint, oil chalk, acrylic paint, acrylic spray on canvas,H174 × W174 × D3.5 cm
画像2:Masato Mori,ハエの王子 (ウジ虫),Hae no ouji (Ujimushi),2024,Oil paint, oil chalk, acrylic paint, acrylic spray on canvas,H224 × W224 × D3.5 cm
画像3:Masato Mori,五大厄災,Godaiyakusai,2024,Oil paint, oil chalk, acrylic paint, acrylic spray on canvas,H250 x W334 x D3.5 cm (diptych)
画像4:Masato Mori,ますっと,Masutto,2024,Oil paint, oil chalk, acrylic paint, acrylic spray on canvas,H206 x W272 x D3.5 cm
画像5:Masato Mori,お化け屋敷,Obakeyashiki,2024.Oil paint, oil chalk, acrylic paint, acrylic spray on canvas,H205 x W272 x D3.5 cm
画像6:Masato Mori,ヒゴロゴロゴロ、ヒゴロノオコナイ,Higorogorogoro, higoro no okonai,2024,Oil paint, oil chalk, acrylic paint, acrylic spray on canvas,H182 x W243 x D3.5 cm
画像7:Masato Mori,ポテトシャワー,Potato shower,2024,Oil paint, oil chalk, acrylic paint, acrylic spray on canvas,H184 x W244 x D3.5 cm
画像8:Masato Mori,ペーネロペー,Penelope,2024,Oil paint, oil chalk, acrylic paint, acrylic spray on canvas,H205 x W410 x D3.5 cm (diptych)
©Masato Mori
Courtesy of NANZUKA
■概要
モリマサト個展「ヒゴロノオコナイ」
開催期間:2024年5月25日(土) 〜7月7日(日)
開催場所:NANZUKA UNDERGROUND
住所:東京都渋谷区神宮前 3-30-10
※6月21日(金)よりINS Studio にて個展「Snaker」を同時開催。
営業時間:11:00-19:00
定休日:月、火
>>EDITOR’S VOICE
NANZUKA UNDERGROUNDから外苑前方面に向かって6分ほど歩いた場所にあるワタリウム美術館で、「梅津庸一|エキシビション メーカー」が開催中。ワタリウム美術館の前身「ギャルリー・ワタリ」時代の「知られざるコレクション」を軸に、43組の作家による作品を紹介する展覧会です。
Text:Arisa Watanabe
INFORMATION
神宮前のNANZUKA UNDERGROUNDでモリマサトの新作個展が開催 徳島での日常をアートに
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前 3-30-10
- 営業時間
- 11:00-19:00
- 定休日
- 月、火
- オモハラリアルスタッフ
OMOHARAREAL編集室