ハラカドB1Fに広がる「小杉湯」プロデュース銭湯フロア「チカイチ」をまずはチェック
2024年4月17日(水)、神宮前交差点の新しい商業施設「東急プラザ原宿 ハラカド」がオープン。2021年9月に、まだ基礎工事中の「ハラカド」(そのときは当然名前すらなかった)に設置された工事用囲いについて記事を書かせてもらった。
それからおよそ2年半の歳月が流れ、あっという間に建物が完成。時間の流れの早さと人間の力に驚くばかりだ。オープン前、メディア向け内覧会に編集部員とともに参加したので、エリアごとに見どころを紹介していこう。ハラカドを訪れる際の参考にしてみてほしい。
本稿ではB1F“原宿の銭湯”として開業前から話題を集めていた「小杉湯原宿」をレポート。※記事末に他フロアのレポート記事リンクを記載
なにはともあれ、まずは風呂!「小杉湯原宿」と「チカイチ」を巡る
B1Fには開業前から話題の小杉湯原宿を中心とした小杉湯プロデュースのフロア 「チカイチ」がある。ここは銭湯を中心に、小さな商店街のようなイメージで「チカイチパートナー企業」がブースを出店。体験を通じて各社の持つ「素」の価値観を提案する場所となっているのだ。
参加したツアーでは、冒頭で小杉湯副社長の関根江里子さんが小杉湯原宿とチカイチについて説明してくれた。
小杉湯のモットーである「きれいで、清潔で、きもちのいい」と、チカイチのコンセプト「素のまま、そのまま」を根幹にインバウンドや若者だけを対象にせず、街の銭湯として誰に対しても“閉じない場所”を原宿の街の中心で提供していくという。
「小杉湯」副社長・関根江里子さん。
UNDER ARMOURのブースはランニングステーションとして活用でき、ストレッチスペースや専用ロッカーを提供。花王は原点である「花王石鹸(現・花王ホワイト)」の歴史を紹介している。
健康器具や美容機器を開発、販売するMYTREXは実際に美顔器やヘッドスパマシン、肩をほぐすハンディガンなどを気軽に試すことができる。確かに銭湯にはマッサージチェアが不可欠なイメージがあるけど、なるほど。その最新系というわけ。
花王は「花王石鹸(現・ホワイト石鹸)」の過去のパッケージを展示。復刻した包装紙で販売を予定しているそう。過去のパッケージやロゴデザインがどれもおしゃれで、逆に古さを感じさせないデザイン性に驚く。
サッポロビールブースはもちろん「黒ラベル」!キンキンに冷えていやがる!と思わず心の中で叫んでしまう風呂上がりのビール。悪魔的だ。缶もありますが、生もイケます!最高!
広々とした畳スペースは自由に休めるスポット。コンセント付きのデスクもあるので風呂上がりにビールを飲みながらラップトップをポチポチ作業なんてこともできちゃいます。
そしてなんといっても肝心要は「小杉湯原宿」。つまりお風呂です。清潔さにこだわっているという「小杉湯」らしく、とっても綺麗で清潔感に溢れていた。
想像していたより小さい?と最初は思ったけど、建物自体がデカイだけでこれが銭湯のリアルなスケールなんだろうなと思い直す。スーパー銭湯ではなく、あくまで街の銭湯にこだわったという、その心意気を感じた。
光を回すことで、構造上制限のある天井を高く見せる工夫も。その分、銭湯絵が超近くて大迫力。もちろん日本に3名しかいない銭湯絵師・中島盛夫さんによる本物だ。古代ローマ人も喜びそうな見事なテルマエ!
しかも入浴料金は東京都内の銭湯料金に合わせて520円。物価の高騰などを受けて毎年値上がりしている入浴料金だけれど、東京メトロ明治神宮前駅からほぼ直結(直接導線は今のところないが、どの出口からも1分-5分圏内)、神宮前交差点という街のど真ん中にありながら520円で銭湯に入れるのは魅力だ。
「小杉湯」名物のミルク風呂と熱湯と水風呂、三種類の浴槽があり、温冷交互浴が楽しめる。2人〜3人がけで内気浴できるベンチもあった。サウナがもてはやされている世の中だが、「小杉湯原宿」にサウナはない。個人的にはしっかり熱いお湯とほどよく冷たい水風呂の温冷交互浴がいちばんキマります。入るのが楽しみだ。
まずは、街に根付く人に体感して欲しいと言う願いのもと、ハラカドオープン日の2024年4月17日(水)から5月12日(日)までのおよそ1ヶ月間は、原宿地域に在住または勤務地がある者に限定しての先行開業が行われるとのことで、原宿に縁がある人はこの機会にぜひとも足を運んでみては。(たぶん編集部も行きます)
番台には小杉湯三代目の平松 佑介さんが座っていた。集まったメディアの人たちの質問ににこやかに応えながら、いよいよ開業となる小杉湯原宿とチカイチを感慨深そうに眺めていた。創業から91年。原宿への出店にはいろいろな思いがあり、大変なチャレンジだったはず。少なくともその道のりは決して平坦なものではなかっただろうと想像できる。
小杉湯三代目当主・平松 佑介さん
朝7:00~23:00という営業時間の長さも嬉しい。朝ランしてひとっ風呂浴びて出勤。なんてことも可能だ。ピカピカの浴槽以上に「小杉湯原宿」の懐の深さがうかがえるというもの。
あらゆるカルチャーを受け入れてミックスしてきた原宿の中心で、さまざまな「素」と人が交わるスポットになるであろう小杉湯原宿。ありのままの自分と向き合える入浴体験をぜひ。
■「東急プラザ原宿 ハラカド」
小杉湯原宿
住所:東京都神宮前6丁目6-31-21 ハラカドB1F
入浴料:
大人520円[12歳以上]
中人200円[6歳以上12歳未満(小学生)]
小人100円[6歳未満(未就学児)]
プレオープン期間:
2024年4月17日(水)〜5月12日(日)
営業時間:7:00-12:00/18:00-23:00
ご入浴可能者:
神宮前1丁目〜6丁目エリアにお住まいの方
または勤務地のある方
※神宮前1丁目〜6丁目にお住まいの方、働いている方で住所が証明できるものが必須
グランドオープン:
2024年5月13日(月)以降
営業時間:7:00〜23:00
ご入浴可能者:プレオープン期間の混雑状況を踏まえ、方針を決定
>>ハラカド1F-4F、ショッピング&クリエイター向けのコアスペースレポート
>>ハラカド5F-7F、神宮前の台所「HARAJUKU KITCHEN & TERRACE」レポート
Text:Tomohisa Mochizuki
Photo:OMOHARAREAL編集部