ジェンダー、セクシャリティ、家族をテーマに
若手作家の発掘・育成・支援を目的として 2000年から開催しているアートフェスティバル「SICF(スパイラル・ インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)」にて、第23回EXHIBITION部門グランプリを受賞したアーティスト、みょうじなまえの個展「バベルとユートピア」が、南青山のスパイラルガーデン(スパイラル1F)にて開催中。2023年5月10日(水)〜5月25日(木)まで。
みょうじなまえは、自身に与えられたジェンダーとこれまでの経験を契機に、女性の身体や性、アイデンティティと、その消費をめぐる問題をテーマに作品を制作するアーティスト。しばしばモチーフとして登場する女児向けの玩具や、その趣向を過剰なまでに強調する表現は、幼少期の段階で刷り込まれていくジェンダーの存在を示唆するとともに、私たちが様々な「らしさ」に制約されて生きていることに気付かせてくれる。
近年は、自身の体験に加え、神話や戯曲などの物語を題材に、映像や立体作品など様々なメディアを演劇空間のように配置する重層的なインスタレーションを展開。私たちが内面化しているジェンダーやセクシャリティ、あるいは家族といった現代が抱える多様で複雑な問題を作品に内包させているのが特徴だ。
本展では、社会構造に潜む性を含んだ暴力の問題をテーマに、古代ローマ詩人・オウィディウスの叙事詩『変身物語』や、ギリシャ神話の怪物などを題材とした映像インスタレーション新作を発表。また、スパイラルガーデン内では、SICF23 EXHIBITION 部門の受賞者9名による作品展示も同時開催される。
多様なジェンダー、セクシュアリティを持つ人たちが集まり、それらを内包しながらカルチャーを育んできた表参道・原宿。みょうじなまえの作品が、普段見過ごしてしまいがちな問題意識を、呼び起こしてくれるきっかけとなるかもしれない。
■概要
SICF23 EXHIBITION 部門 グランプリアーティスト展 みょうじなまえ「バベルとユートピア」
開催期間:2023年5月10日(水)〜5月25日(木)
時間:11:00-20:00
入場料:無料
場所:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
>>EDITOR’S VOICE
スパイラルから歩いて約2分の場所にあるアニエスベー ギャラリー ブティックでは、フランス人アーティストのジョルダン・サジェの個展「センヲエガク」が開催中。建築装飾のアラベスク模様のような謎めいた曲線で描かれるサジェの作品とパフォーマンスは、ストリートアート好き必見です。
※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
SICF23受賞アーティスト・みょうじなまえの個展が南青山のスパイラルにて開催中
- 住所
- 東京都港区南青山 5-6-23スパイラル1F
- 電話
- 03-3498-1171
- 営業時間
- 11:00-20:00
- 定休日
- 会期中無休
- 開催期間
- 2023年5月10日(水)〜5月25日(木)