街が人工的に整理されることへの抵抗
南青山のhpgrp GALLERY TOKYOにて、白田一馬による新作展「ここからあそこ、過去の未来」を、3月22日(水)〜4月29日(土)の期間で開催する。
白田は、1984年神奈川県生まれのアーティスト。2019年ごろまで、高層ビルの屋上に登り、そこからの景色を写真や動画で残すルーフトッピングと呼ばれる活動をしていた。誰かの欲望の象徴とも言える高層ビルを、ほんの数分でも自分が支配するような感覚は痛快だったと語る白田。それは人間の感覚を超え、都市が強引に変容していくことに対する彼なりの抗議行動でもあった。本展で紹介される新作シリーズも、その時に撮影した風景や実際に目にしたイメージから着想を得たものである。
2020年にパンデミックが発生し世界の状況が激変したことがきっかけで、白田はループトッピングから遠ざかった。移動や様々な活動が制限されたことも大きく影響しているが、何かを批判したり、自らの価値基準から善悪を判断するということに居心地の悪さを感じるようになったと言う。その居心地の悪さや矛盾の原因を模索する中でうまれた本展の作品は、今日の社会の混沌を映し出している。
10年以上にわたり絵画制作を続けてきた白田。彼は角の丸い台形の支持体に、様々な素材や接着剤などを幾層にも重ね、即興的に制作を行っていく。ユニークな手法で制作される白田の作品を通じ、骨董通りの地下から混沌とした街の様相を見渡してみて。
■キャプション
画像1:「ダウンタウン」2020-2021年 / 1600×1900mm / 油彩・アクリル・マーカー・ウルトラボンド・蓄光塗料・
画像2:アクリル/オリジナルボード / 2021-2023 / 1600×1900mm
画像3:「Sci-Fi」油彩・アクリル・マーカー・マジック・フェルト布・ボンド・
■概要
白田一馬 新作展「ここからあそこ、過去の未来」
開催期間:3月22日(水)〜4月29日(土)
営業時間:12:00〜19:00
開催場所:hpgrp GALLERY TOKYO
住所:東京都港区南青山5-7-17 小原流会館B1F
電話番号:03-3797-1507
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
>>EDITOR’S VOICE
アニエスベー ギャラリー ブティックでは、フランス人フォトグラファーのフランソワ・プロストによる個展「Gentlemen’s Club」を開催中。hpgrp GALLERY TOKYOから徒歩1分とかなり近い場所にあるギャラリーなので、こちらにもぜひ足を運んでみてください。
Text:Arisa Watanabe
INFORMATION
南青山のhpgrp GALLERY TOKYOにて白田一馬の新作展を開催
- 住所
- 東京都港区南青山5-7-17 小原流会館B1F
- 電話
- 03-3797-1507
- 営業時間
- 12:00〜19:00
- 定休日
- 日曜・月曜・火曜