ポストストリートアートな「戦争」風刺
2023年2月11日(土)から神宮前・NANZUKA UNDERGROUNDで、アメリカ人アーティスト、トッド・ジェームス(Todd James)の新作個展「Soldier Of Fortune」を開催する。
トッド・ジェームスは、ジャン=ミシェル・バスキア、ラメルジーといったNYストリートアートのDNAを受け継ぐ、ポストグラフィティ世代を代表するアーティスト。まだ10代だった80年代半ばからリアス(REAS)のタグネームで知られ、以後現在に至るまで、スプレーペイント、ネオン、ライトボックス、キャンバス、アニメーションから立体作品まで、様々なメディアを通して、その独自のスタイルを築き上げてきた。
ストリート/ポップアートの文脈における象徴的な存在として、これまで、KAWS(カウズ)、TWIST(バリー・マッギー)、ESPO (スティーブン・パワーズ) の他、ビースティ・ボーイズ、イギー・ポップ、エミネム、ファレル・ウィリアムスといった重要なミュージシャンともコラボレーションを行っている。
今回、NANZUKAにおいて4年ぶり、4度目となる展覧会は「Pentagon Pile Up」 と題された、自身初となる新作の大型ブロンズ彫刻作品を中心に構成。数十年に渡ってジェームスの作品の中に登場している、戦車やミリタリーをモチーフとしたペインティング、ネオンカラーの迷彩服を着たサイケデリックなスナイパーが現実の辺境を探察しているペインティングなども発表する。さらに、近年、キャンバスにスプレーで絵を描く手法を再び制作に取り入れた新たなシリーズも展示される。
ポストストリートアート運動の引率者の一人として、その国際的な評価がますます高まっているトッド・ジェームス。壊れた戦車や兵士たちのキャラクターはブロンズ作品と同名の「戦争ポルノ」をモチーフに、軍産複合体に対する風刺漫画としての役割を果たしているという。展覧会の作品群が、軍拡へ向かっていくような素振りを見せる日本の社会の中で人々の目にどのように映るのだろう。
ストリートカルチャーが根付く街、原宿で「NANZUKA」を通じて見るトッド・ジェームスに期待を抱かずにはいられない。
■概要
トッド・ジェームス 『Soldier Of Fortune』
会期:2023 年 2 月 11 日(土・祝) 〜3 月 12 日(日)
会場:NANZUKA UNDERGROUND
住所:東京都渋谷区神宮前 3-30-10
開廊時間:水曜日〜日曜日/11:00〜19:00
定休日:月・火曜日
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
■画像クレジット
©Todd James
Courtesy of NANZUKA
>>EDITOR’S VOICE
NANZUKA UNDERGROUNDから徒歩3分、ビームスT 原宿では人気FPSタイトル『APEX LEGENDS™(エーペックスレジェンズ™)』とのコラボアイテムを販売中。「BEAMS T」が気鋭のファッションレーベルを招致して、ファッションに昇華したアイテムをラインナップしている。『APEX LEGENDS™』も「戦争」をモチーフにしたゲームであり、トッド・ジェームスの「戦争ポルノ」に通ずるひとつの表現のかたちと言えるかもしれない。
※敬称略
Text:Tomohisa Mochizuki
INFORMATION
神宮前・NANZUKA UNDERGROUNDでトッド・ジェームスの展覧会を開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前 3-30-10
- 営業時間
- 水曜日〜日曜日/11:00〜19:00
- 定休日
- 月・火曜日