1月よりSAI GALLERYでも展示を実施
GYRE GALLERYでは、写真家・石川直樹の写真展「Dhaulagiri / Kangchenjunga / Manaslu」を、2022年12月17日(土)〜2023年2月26日(日)の期間で開催する。
石川直樹は、人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら作品を発表するアーティスト。日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞など多数の受賞歴があり、国内外で精力的に個展を行っている。
本展では、石川が新たに挑んだ山々の記憶と記録が写し出されている。2022年春から秋にかけて、海外に行けなかった二年間の反動をそのまま体現するかのように、ネパールやパキスタンにまたがるヒマラヤ地域へと繰り返し出かけ、撮影を実施。4月にダウラギリ(8167m)、5月にカンチェンジュンガ(8586m)、7月にK2(8611m)+ブロードピーク(8051m)、8月にナンガパルバット(8126m)、9月にマナスル(8163m)と、6つの8000m峰に立て続けに遠征し、雪崩で撤退を余儀なくされたナンガパルバットを除いた5つの山の頂上に立つことに成功。10月に帰国した。
身体をぎりぎりまで酷使しながら8000m峰に連続して登ることで「生きている実感などという生半可な言葉ではあらわせないほどの強い手応えが毎日一滴ずつ滴り落ちて、自分の中に染み込む。そして、身体が日々刷新されていくような不思議な感覚がある」と、石川は語る。 肉体的にも精神的にも極限の状況下において、ネガフィルムを装填した古い中判カメラを用い、山々の麓から頂上に至るまでの日々を精緻に記録していく彼の撮影行為。これまでの山岳写真の枠を大きく逸脱し、誰も真似のできない身体的な営為(えいい)とも言える。
また、SAI GALLERYでは、7月22日に登頂成功したK2、29日に登頂成功したブロードピーク、雪崩によって中止を余儀なくされたナンガパルバットの三山の写真を展示。さらに、今回展示が行われる表参道のGYRE GALLERYから、SAI GALLERYまでの道のりに7つの店舗を構えているTHE NORTH FACEにて、石川の写真の展示や、関連書籍の販売、コラボレーショングッズの展開、トークショーや写真学校の開催など、さまざまなイベントを企画している。どちらも、2023年1月13日(金)〜2023年2月5日(日)の期間で開催予定だ。2023年1月16日(月)にはトークショーを実施するので、こちらも見逃せない。
命懸けでもぎとってきた写真たちと対峙するとき、鑑賞者はどのような思いを抱くのだろうか。GYRE GALLERYとSAI、ふたつのギャラリーとTHE NORTH FACEの各ショップをめぐりながら、不撓の挑戦による壮大なスケールの作品と向き合ってほしい。
※敬称略
■クレジット
画像1〜3:Photo by Naoki Ishikawa
■概要
Dhaulagiri / Kangchenjunga / Manaslu
開催期間:2022年12月17日(土)〜2023年2月26日(日)
営業時間:11:00〜20:00
開催場所:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
休館日:12月31日(土)、1月1日(日)、2月20日(月)
※1月2日(月)は13:00OPEN
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
>>EDITOR’S VOICE
GYREのレストランフロア内にあるGYRE.FOOD uniでは、彩り豊かな絶品ランチを楽しめます。店内もオシャレで癒される空間なので、個展を見に行く前後で立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
Text:Arisa Watanabe
INFORMATION
表参道のGYRE GALLERYで石川直樹の写真展を開催 8000m峰の山々に挑んだ記憶と記録
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
- 営業時間
- 11:00〜20:00
- 定休日
- 12月31日(土)、1月1日(日)、2月20日(月)