見覚えのある「Pointed」なモチーフ
後智仁(うしろ ともひと)による初個展「Pointed」が、表参道のMAKI Galleryで開催。2022年12月3日(土)〜2023年1月21日(土)まで。
後智仁は、1971年東京生まれのアーティスト。1991年に武蔵野美術大学短期大学部グラフィックデザイン科へ入学後、1993年に同大学視覚伝達デザイン学科へ編入。1995年株式会社博報堂へ入社、2008年には同社を退社し株式会社WHITE DESIGNを設立。クリエイティブディレクター、アートディレクターとして活躍する傍ら、2011年頃より大学時代から温めていた “硬いもの、柔らかいもの ”および “有機的な曲 線上の点を減らすことによる直線化が起こす絵の崩壊とその段階 ”というコンセプトに基づいて作品制作を開始。同年には映像作品「〇〇X」、立体作品「Shake Bear」も発表した。
今回MAKI Galleryで開催される本展は「Pointed(尖った)」と名付けられ、11点のキャンバス作品と3点の立体作品で構成。長年アートディレクターとしてデジタル上のパフォーマンスで第一線を走り続けてきた作者にとって、物質的な作品のみを発表するという、まさに新境地となる展示となっている。
今回展示する平面作品に対し、
「コンセプトは「有機的な曲線上の点を減らすことによる直線化が起こす絵の崩壊とその段階」。僕がこれまで影響を受けたキャラクターや広告、ピンナップなど具体的で完成されたイメージの曲線から点を減らすことで、そのイメージの持つ具体的な意味や役割を曖昧にし、元の役割とは全く違うものを作るというものです。曲線から点を減らすことで、その線は直線化しツンツンと尖ったもの(Pointed)となっていきます」
と、後智仁は語る。ペインティング作品には、マクドナルドのキャラクターやシャネルの香水の広告、時にはSM雑誌のビジュアルなどが引用され、作家自身が幼少期より大いに影響を受けた、海外からもたらされる文化やトレンドアイコンが作品へ反映されている。
後智仁にとっての創作活動における新たな1ページとなる「Pointed」。初個展ながら圧倒的な品格と重厚感を備える貴重な作品群を、表参道のMAKI Galleryでぜひ目に焼きつけて。
■画像クレジット
1.Tomohito Ushiro, SHIBARU, 2022, acrylic on canvas, 180.0 x 132.7 cm
2.Tomohito Ushiro, Donald, 2022, acrylic on canvas, 180.0 x 132.7 cm
3.Tomohito Ushiro, Balloon / Blue, 2022, resin and wood, 26.0 x 45.0 x 24.0 cm
4.Tomohito Ushiro, Donald land, 2022, acrylic on canvas, 200.0 x 300.0 cm
■概要
後智仁「Pointed」
開催日:2022年12月3日(土)〜2023年1月21日(土)
時間:11:30-19:00
定休日:日曜・月曜
場所:MAKI Gallery
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
>>EDITOR’S VOICE
MAKI Galleryからすぐの表参道欅並木では「表参道 フェンディ イルミネーション 2022」が、12月29日(木)までライトアップ中(低木への装飾は2023年1月5日まで)。冬の風物詩とも言える表参道のイルミネーション。今年は何度見れるか楽しみです!
※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
後智仁の初個展「Pointed」が表参道・MAKI Galleryで開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前4-11-11
- 営業時間
- 11:30-19:00
- 定休日
- 日曜・月曜
- 開催期間
- 2022年12月3日(土)〜2023年1月21日(土)