
「カワイイ」が作品からあふれ出す
ラフォーレ原宿の「愛と狂気のマーケット ~“おもしろい”才能の出会い系~」+DA.YO.NE.ブースで、サイトウケイスケ氏の個展が開催中。サイトウ氏は山形県出身のアーティストで、キュートだが毒気のある作風が特徴的だ。今回キュレーションを行っている、+DA.YO.NE.の代表・米原康正氏とは数年前から交流があるという。
ネオンサインと複数のモニターが目を引く入り口を抜け、右奥へ進んでいくと、スペースの裏手側にサイトウ氏の展示コーナーが現れる。展示コーナー入り口には、タレントの辰巳シーナ氏とコラボレーションした作品が。サイトウ氏は2015年の個展「らぶばず(LOVE BUZZ)」以降、女の子の自撮りを絵でデコレーションする作品を発表しており、本作でも辰巳氏の可愛くセクシーなショットをカラフルな絵のコラージュで賑やかに飾り立てている。
サイトウ氏の“自撮り”へのこだわりは、こんなところにも。写真撮影用のフレームを、大・小と用意。フレームの中に入れば、自分も作品世界の一部になれる。なお、展示物は全て撮影可能で、SNSでの拡散も大歓迎だそう。
原宿で流行した“デコラファッション”(原宿で生まれた、カラフルな小物をたくさん身に着けるファッションスタイル)をリスペクトしており、中でも大量のピンやリボンを髪に盛る「ゴミ盛り」から着想を得て制作した作品もあるという。
サイトウ氏のアートは、常に音楽と共にある。山形県で活動していた頃は主にパンク・ロックを好み、ライブポスターのデザインも多数制作。上京後はライブアイドルに魅了され、アイドルとの出会いが作風にも大きな影響を与えた。
本展では、アーティスト活動15年間の集大成とも言える作品集「CLOSER」を販売している。過去作品のほか、サイトウ氏が愛してやまないアイドルグループ「BiS」の元メンバー・テンテンコ氏との対談や、編集者・都築響一氏からのコメントなどが収録されており、各界の著名人が語る“サイトウケイスケ”観にも興味をそそられる。
都築響一氏が「カワイイって怖い。Vサインの奥の闇がサイトウくんには見えている。」と作品集で語る通り、サイトウ氏の作品はどれも「カワイイ」と「怖い」が同居している。相反するふたつの感情を同時に体感した鑑賞者は、もれなく彼の作品から目が離せなくなる。
空間は、日を重ねるごとに姿形を変えていく。会期中の記念写真や自撮りをプリントして貼ったり、グッズにオリジナル缶バッジを追加したり、二人組でも撮影しやすい特大フレームを設置したり。本個展は、足を運ぶ人々とのコミュニケーションによって進化し続けているのだ。
「原宿で展示会を行うのは初めてですが、街と作品との相性が良いみたいです。これからもぜひ原宿に出展したいですね」と、サイトウ氏。今後、原宿の街でサイトウ氏の作品を見かける機会が増えるかもしれない。本展は10月31日(月)まで開催中だ。
■概要
サイトウケイスケ「愛と狂気のマーケット」+DA.YO.NE.ブース展示
開催期間:10月1日(土)~10月31日(月)
営業時間:ラフォーレ原宿に準ずる(最終日のみ18:00まで)
開催場所:愛と狂気のマーケット
住所:東京都渋谷区神宮前1-11-6ラフォーレ原宿 B0.5F
電話番号:03-3475-0411
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
Text:Arisa Watanabe
Photo:OMOHARAREAL編集部
