JJJによるDJと安藤政信の写真が共鳴した夜
BOOKMARCは原宿の重要なカルチャースポットのひとつ。気鋭のアーティストの展示を行っていることはもちろん、毎回オープニングではDJを呼んでのレセプションや、アーティスト本人を招いたトークショーなどフィジカルでアートやカルチャーに触れる機会を創出している点も魅力だ。
現在、満を持して7月にオープンした表参道沿いのMARC JACOBS表参道と連動し、安藤政信『憂鬱な楽園』for MARC JACOBS写真展をギャラリースペースで開催中。開催前日、安藤政信さん本人も来場したプレビューへ足を運んだ。
Focus:安藤政信『憂鬱な楽園』for MARC JACOBS写真展プレビューパーティ
・森川葵さんがMARC JACOBSの最新コレクションを見に纏い、安藤さんが撮り下ろした写真作品を展示。
・オープニングレセプションには安藤さん本人も来場。来場者や友人らと交流しOMOHARAREALでも話が聞けた!
・会場の音楽を手がけるゲストDJにはアーティスト・JJJを迎えて行われた。
俳優・写真家として知られる安藤政信さん。近年はそれらの活動に加えて、自身が監督した映画作品を公開するなど多彩な才能で注目を集めている。今回、MARC JACOBSのために撮り下ろした作品は、森川葵さんをモデルにMARC JACOBSの最新のコレクションをシューティングしたもの。
画像データではその作品を見ていたが実際目にするとでは大違い。テレビで見る森川葵さんとは違う、シリアスかつリラックスしたリアルな表情を捉えている。美しいMARC JACOBSのコレクションピースに身を包んだ森川葵さんの眼差しから、恐ろしいほどのパワーを感じつつ、その美しさに息を呑む。来場者も感嘆の声を上げていた。
“for MARC JACOBS”としながらも、コマーシャル的な映し方や作品では決してない。まっすぐ被写体と向き合う安藤さんのストイックな姿勢が如実に現れている作品たちに釘付けにさせられた。『憂鬱な楽園』はZINEとして南青山のFeb gallery Tokyoで行われていた『HERE IS ZINE Tokyo @Feb』にも出品。取材時買っておけば良かったと後悔しつつも、ZINEとは違った写真の迫力を堪能できる展示となっている(ZINEの魅力もまた然りだが)。
会場に華を添えるのはラッパー・プロデューサーとして活躍するJJJ(ジェイジェイジェイ、リスナーからはジェジェジェと呼ばれる)。自身の楽曲を含む、国内外の楽曲をプレイ。写真の洗練された世界観を際立たせていた。ゆったりとしたムード漂う楽曲から、ストイックな楽曲までを横断し、緩急のあるDJと選曲のセンスはさすがの一言。来場者の耳をしっかりと掴んでいた。
安藤さんにJJJとの関係性を聞くと、同じ川崎出身の友達なのだそうだ。ヒップホップが好きで地元である川崎に思い入れがある*安藤さんらしいキャスティングに納得。最後は2人で談笑する姿も。個人的には両者ともに好きなアーティストなので2ショット写真を撮らせていただいた。
*森川葵さんも出演する、安藤さんが監督した短編『さくら、』では音楽にヒップホップを軸に幅広く活躍するプロデューサーKMや海外の著名なプロデューサーBrodinski & Modulawを起用しており、ヒップホップに精通した人物であることが分かる。
写真で振り返る、安藤政信『憂鬱な楽園』for MARC JACOBS写真展
BOOKMARCで行われるイベントといえばこのフライヤー。決まったフォーマットながら色が違ったり、コレクション性があってつい手に取ってしまう。
フライヤーに使われているビジュアルと、『憂鬱な楽園』のZINEにも使われていた赤い写真。ポートレートであれ静物であれ、血や肉といった有機的な生命を感じさせる質感も、安藤作品ならではの特徴。
本日の主役、安藤政信さん。ファッション誌や映画の中で拝見していた頃のような若々しい姿に驚き。
1階ではJJJのDJを目の前で聴くことができるという、贅沢なリスニング環境。耳は預けつつも心地よいグルーヴについ足が動いてしまう。音楽はスピーカーを通じて階下の会場にダイレクトに流されていた。写真作品と音楽が連動し、一体となる空間を作り上げていた。
当日は多くの人が集まり、会場は大盛況。熱気のあるオープニングレセプションとなった。
国内外のクリエイター、ファッション好きやアート好き、アーティストのファン、さまざまな人が入り混じるカルチャーのるつぼとして機能するBOOKMARC。びっくりするくらい有名な人がひょこっといたりして、そんなサプライズな出会いも面白い。今後は今回のようにMARC JACOBS旗艦店との連携した企画も行っていくそうなので、楽しみだ。
■安藤政信 『憂鬱な楽園』for MARC JACOBS 写真展
場所:BOOKMARC
住所:東京都渋谷区神宮前4-26-14
営業時間:12:00-19:30
開催期間:2022年9月22日(木)〜10月2日(日)
営業時間:12:00-19:30
Text:Tomohisa Mochizuki
Photo:Kousuke Ookutsu