コロナ禍の現代社会をシニカルたっぷりに描く
ホアン・コルネラの新作個展「SEND YOURSELF NOWHERE BUT TOKYO」が原宿・StandByにて開催中。会期は、2022年8月25日(木)〜9月6日(火)まで。
ホアン・コルネラは、明るい色使いと作中の愛らしいキャラクターが特徴的な漫画家/イラストレーターだ。ユニークでクスッと笑ってしまうような作品の背景には、人の特性や現代社会における問題を皮肉的に表現しブラックユーモアに富んだイラストを描く。彼のポップかつ辛辣な作品の数々は、世界中で注目を集め、インターネットミームとして見かけることもしばしばだ。
本展では、自身初となる立体作品や5枚の新作キャンバス作品を展示。コロナ禍における社会の様子がホアン・コルネラ独自の角度で表現されている。
本日から開催中のため、OMOHARAREAL編集部は会場のStandByに赴き、展覧会の様子を撮影させていただいた。入るとすぐ視界に飛び込んでくるギャラリー中央に設置された、15のモニターからなる立体作品は、コロナ禍でデジタル機器の利用やオンラインでの活動が多くなったことから作品の着想を得たという。モニターごとに異なる地域や都市で勃発するロックダウンや外出規制などの、さまざまなシーンが愛らしくも皮肉的に表現されている。
また新作キャンバス作品では、現代社会の様子や問題に対して、ブラックジョークを効かせたシュールな作品がラインナップ。例えば、コロナ禍で多くの人が体温測定や陰性証明の提示を求められる日常を、「IDIOT(まぬけ)」と書かれた体温計とともに描写し、作品とコロナの関係について触れた作品や、韓国発の指ハートを描いた作品、インスタ映えに執着する男性の作品、汚染された環境をバックにポーズをとる水着姿の女性の作品など。登場するキャラクターの笑顔の裏にあるシニカルなユーモアを存分に感じられる。
コロナ禍から生まれたネットのトレンドを、鋭い洞察で作品へと描き出すホアン・コルネラ。StandByの外壁に大きく掲げられた広告のようなメインヴィジュアルが物語る、軽妙ながら不穏な空気感は画面上で見るのとは違った臨場感と迫力を感じられるはず。アートかミームか、見る人によってさまざまな反応、捉え方ができる展示をぜひキャットストリートで目撃してほしい。
■概要
ホアン・コルネラ「SEND YOURSELF NOWHERE BUT TOKYO」
開催期間:2022年8月25日(木)~2022年9月6日(火)
開催場所:StandBy
住所:東京都渋谷区神宮前5-11-1
営業時間:11:00~19:00
定休日:会期中無休
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
>>EDITOR’S VOICE
StandByから歩いて5分ほどのところに、オープンしたばかりのハンバーガーショップ・Jennifer Sevenがある。表向きはコーヒースタンドを併設した雑貨店で、奥の扉を開くとハンバーガーショップが現れるというユニークなお店。試食会の様子をレポートした記事もあるので、ぜひ記事を読んで足を運ぶきっかけになれば幸いだ。
※敬称略
Text:Kousuke Okutsu
INFORMATION
StandByでホアン・コルネラの新作個展「SEND YOURSELF NOWHERE BUT TOKYO」が開催中
- 住所
- 東京都東京都渋谷区神宮前5-11-1
- 営業時間
- 11:00~19:00
- 定休日
- 会期中無休
- 開催期間
- 2022年8月25日(木)~2022年9月6日(火)