現代の作家が戦後美術家を逆照射
表参道のGYRE GALLERYにて『ヴォイド オブ ニッポン 77』展を、8月15日(月)〜9月25日(日)の期間で開催する。
今年8月、太平洋戦争終結から77年が経過する。77年というのは、明治維新から太平洋戦争終結までと同じ長さ。つまり、戦前と戦後の長さが同じになるのだ。このような歴史的連続性を前提にして「戦後美術史のある風景と反復進行」をテーマに展覧会を企画した。
本展覧会では、戦後語られた日本の「空虚」を前提にして、現在活躍している大山エンリコイサム、金氏徹平ら、次世代の日本の作家によって戦後美術家たちを逆照射する。本展に出品される作品が、作品単体では完結されず、時代を超えて反復から連鎖へ。そして転移していく様態を提示し、結果的に全ての出品作品は自ずと時代的連続性を表象することとなる。「日本」の戦前や戦後の時代精神を担った作家から、新たな世代を代表する現代の作家へと連繫し、時間の連続性を浮かび上がらせ、さらに昭和、平成、令和を通してそれぞれの時代精神を対象化。そして、われわれが今後何処へ向かおうとしているのかを問いかけていくものとなっている。
今では平穏で美しい表参道の街。しかし太平洋戦争の戦時下、戦火に見舞われ壊滅状態になった歴史もある。戦後の平和な時間がこのまま永遠に続くよう祈りながら、作品を見届けたい。
※敬称略
■クレジット
画像1:《FFIGURATI #89》 制作年:2013-14年 サイズ: 2110×5670 mm 材質: アクリル性エアロゾル塗料・アクリル性マーカー・ラテックス塗料・墨・キャンバス Courtesy of Takuro Someya Contemporary Art
画像2:《CMYK》制作年: 2019年 サイズ: 1500×900×35 mm 材質: 木・インクジェット・ペンキ缶・インク Courtesy of The Kyoto Shimbun
画像3:国民投票 《起承転結》制作年: 1997年 材質:黒板にチョーク・ミクストメディア サイズ: 1050×1420 mm
画像4:《霊柩車浮上す》 制作年: 1974年 材質: 油彩・キャンバス
画像5:《Just a piece of fabric》制作年: 2022年 サイズ: 各76×160 mm 材質: ポリエステルオーガンジーにポリエステル糸・蓄光糸で 刺繍 Courtesy of Mizuma Art Gallery
画像6:《耳》制作年: 1964,1965 サイズ: 245×140×70 mm 材質: アルミニウム
画像7:《主題の喪失 3》 制作年:2010年 サイズ:447×370 mm 材質:鳥の子紙にインク Courtesy of MEM
画像8:《Comic Book 21–S》 制作年:2021年 サイズ:180×145×150 mm Courtesy of MEM
■概要
『ヴォイド オブ ニッポン 77』展
開催期間:8月15日(月)〜9月25日(日)
企画:飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所所長)
参加アーティスト:
河原温、三島喜美代、中西夏之 、高松次郞、 赤瀬川原平、三木富雄 、北村勲、北山善夫、青山悟、 金氏徹平、加茂昂、大山エンリコイサム、須賀悠介、MIKA TAMORI 、国民投票
開廊時間:11:00〜20:00
開催場所:GYRE GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前5丁目10−1GYRE 3F
電話番号:0570-05-6990(ナビダイヤル 11:00-18:00)
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
>>EDITOR’S VOICE
ワタリウム美術館でも、古き良き日本の芸術を感じる「鈴木大拙展 Life=Zen=Art」を開催しています。仏教学者であり、アメリカの大学やヨーロッパに赴いて、禅思想を講じた鈴木大拙。彼の教えは、世界中の表現者たちに影響をもたらしたと言われています。
Text:Arisa Watanabe
INFORMATION
GYRE GALLERYで『ヴォイド オブ ニッポン 77』展を開催 太平洋戦争終結から77年の節目に
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前5丁目10−1 GYRE 3F
- 電話
- 0570-05-6990(ナビダイヤル
- 営業時間
- 11:00〜20:00
- 定休日
- 不定休