触れて変化していく「Manipulable」
スペインを拠点に活動するアーティスト、フェリペ・パントンの個展「Manipulable」がGallery COMMONにて開催。2022年6月3日(金)〜7月17日(日)まで。
フェリペ・パントン(Felipe Pantone)は、1986年アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。スペイン・バレンシアを拠点に活動するアーティスト。インターネットを軸にしたテクノロジー時代を背景に、グラフィティアーティストとしてのキャリアと学術的な側面の双方から、光のスペクトルの変化をテーマにして制作を行っている。
本展のタイトルとなる「Manipulable」は、ラテン語のmanus(手)を語源とし「手を使って動かしたり操作したりできるもの、または管理、制御、成形できるもの」を指す。展示作品は、それに伴いすべて鑑賞者が触れアレンジできるよう制作されている。パントンは、過去数年の人と人、人とシステム間でのコミュニケーションに対する世間の理解の変化をみて、VRや遠隔操作アプリを用いたタッチレスで作品に触れる方法等、アート鑑賞概念の障壁を克服する様々なアプローチで制作を励んできた。彼は人、モノ問わず対面での交流の機会が増えた現代において物理的な対話を用いた、アーティストと鑑賞者の間にあるギャップを埋める方法を探っているのだろう。鑑賞するだけでなく、作品の一部を任されたような感覚にもなる新感覚の展覧会。会期が進むごとにどんな変化と気づきがあるのだろうか。表参道に来るたび、寄り道してみたい。
■画像クレジット
1.Felipe Pantone. SUBTRACTIVE VARIABILITY CIRCULAR #22. 2022. UV paint on PMMA. 180 x 180 cm. Courtesy of the artist and Gallery COMMON.
2.Felipe Pantone. SUBTRACTIVE VARIABILITY CIRCULAR #22. 2022. UV paint on PMMA. 180 x 180 cm. Courtesy of the artist and Gallery COMMON.
3.Felipe Pantone. SUBTRACTIVE VARIABILITY CIRCULAR #22. 2022. UV paint on PMMA. 180 x 180 cm. Courtesy of the artist and Gallery COMMON.
4.Felipe Pantone. SUBTRACTIVE VARIABILITY CIRCULAR #25. 2022. UV paint on PMMA. 100 x 100 cm. Courtesy of the artist and Gallery COMMON.
5.Felipe Pantone. SUBTRACTIVE VARIABILITY CIRCULAR #25. 2022. UV paint on PMMA. 100 x 100 cm. Courtesy of the artist and Gallery COMMON.
■概要
フェリペ・パントン個展「Manipulable」
開催期間:2022年6月3日(金)〜7月17日(日)
時間:12:00-19:00
休廊日:月曜・火曜
場所:Gallery COMMON
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
>>EDITOR’S VOICE
Gallery COMMONから歩いて約4分の場所にあるThe Massでは、サム・フリードマンの日本初個展「ルーム・サービス」が開催中。どこか日本美術らしさも感じさせるフリードマンの作品、彼の作品とその背景にあるルーツを探りながら鑑賞してみると面白いかも。
※敬称略
Text:Miwo Tsuji
INFORMATION
鑑賞者が手で触れるアート フェリペ・パントンの個展がGallery COMMONで開催
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前5-39-6B1F
- 電話
- 03-6427-3827
- 営業時間
- 12:00-19:00
- 定休日
- 月曜・火曜
- 開催期間
- 2022年6月3日(金)〜7月17日(日)
