ハードモードに突入した梅津庸一の「今」
美術家・梅津庸一の個展「ニュー・ロマンサー」が、ライトシード・ギャラリーで開催。2022年1月22日(土)〜2月6日(日)まで。
本展「ニュー・ロマンサー」は、ワタリウム美術館での個展「ポリネーター」を終えたばかりの梅津庸一による新作ドローイングのみで構成される展覧会である。ライトシード・ギャラリーでは、元々次回展としてバリー・マッギーが選んだカリフォルニアの作家によるグループ展が予定されていたが、COVID-19感染再拡大の影響を受けたシッピングの遅れにより延期を余儀なくされた。そのため急遽、梅津に展覧会の依頼をすることになったのが開催の経緯だという。
梅津は、本展開催に向けて、ワタリウム美術館のオフィスをアトリエ代わりに3日間で20点のドローイングを仕上げた。実はこれまでもワタリウムのオフィスではナム・ジュン・パイクやファブリス・イベールら幾人ものアーティストが突発的・即興的なドローイング制作を行っている。それらの作品は直ちに展示に反映され、展覧会の同時代性やライブ感を際立たせてきた。
梅津はこう語る。「ぼくは制作において明確に美術史を意識し参照することが多かった。コロナ禍以降はもっと即物的に、フィジカルに作品と向き合うようになった。(中略)以前、ぼくはドローイングの仕事を『絵画の私有地化』だと言った記憶があるがそれは間違いだったかもしれない。ドローイングはうまくいけば理論的な構造と詩のような空間を同時に持ち得る。今回の作品たちはここ数日間のぼくの詳細なレポートでもあるが、まるで永遠でもあるように思う」。そう述べるように「制作に極振りした1年」を過ごし、大きな節目となった個展「ポリネーター」を経て、これまでにない制作者としてのハードモードに突入した美術家・梅津庸一の「現在」が詰まった展示となっている。
■画像クレジット
1.本展フライヤー
2.『共鳴』2022年 紙に水彩、アクリル、油彩、インク
3.『あかり』2022年 紙に水彩、アクリル、油彩、インク
4.ワタリウム美術館オフィスでの制作風景
5.ワタリウム美術館オフィスでの制作風景
■概要
梅津庸一個展「ニュー・ロマンサー」
・開催期間:2022年1月22日(土)〜2月6日(日)
・営業時間:11:00-20:00
・入場料:無料
・休館日:無休 (※最新情報は公式サイトにて要確認)
・場所:ライトシード・ギャラリー(ワタリウム美術館B1F)
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
>>EDITOR’S VOICE
ワタリウム美術館のB1Fにあるライトシード・ギャラリーですが、併設しているミュージアムショップ「オン・サンデーズ」でのお気に入りアイテム探しも、楽しみのひとつ。好奇心をくすぐられるアイテムが揃うので、ついつい長居してしまいそう。周りと差がつくお土産やプレゼント探しにもおすすめです。
※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
梅津庸一「ニュー・ロマンサー」 ワタリウムのオフィスで急遽仕上げた新作ドローイングを展示
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-7-6ワタリウム美術館 B1F
- 電話
- 03-3470-1424
- 営業時間
- 11:00-20:00
- 定休日
- 無休 (※最新情報は公式サイトにて要確認)
- 開催期間
- 2022年1月22日(土)〜2月6日(日)