キラキラしたパーティのひどいありさま
ニューヨークを拠点とする作家、アナ・ウェイヤントによる個展「Splinter」が、BLUM & POEにて開催される。2022年1月29日(土)〜3月12日(土)まで。
アナ・ウェイヤントは、1995年カルガリー、カナダ生まれの作家。本展では、アメリカの女性向けケーブルチャンネル<ライフタイム>局の映画や90年代のセレブ文化といった視覚的な引用を用い、ポップカルチャーというテーマを掘り下げた作品群を展示する。女性を侮蔑や性の対象として扱い、同時にステレオタイプに描いてきたテレビ向け映画に関心を持ったウェイヤントは、このジャンルのテレビ向け映画にありがちな誇張的にアメリカ郊外の闇を描くようなストーリーテリングを作品上で模倣したのだ。
本展に登場する5点の紙作品及び4点の絵画作品中では「キラキラしたパーティのひどいありさま」といったストーリーが語られている。そのダークでファンタジー的な世界観の中で、画中の主題を統制しながらも嘲笑うようにくるくると浮遊する金リボンや、可憐な花がしおれた姿が描かれている一方で、「Girl Crying at a Party」(2021年)はその光景を見渡すような視点をもって描かれているのが特徴だ。
また「Glory Days」(2021年)や「Drawing for Glory Days 」(2021年)といった作品たちにも、花瓶に挿した4本のしおれた薔薇が描かれ、そのうちの1本には「Monster」にも登場する同一の金リボンがくくり付けられている。ウェイヤントは、金リボンというモチーフによって、作品中の架空の世界がはらむ矛盾や、超現実的な「郊外」とも呼べる場所の存在を暴きながら、各作品の主題を巧みに操っているのだろう。作品たちから感じるのは、決して「不気味さ」や「奇妙さ」だけではないはず。作品、そして展示構成に込められた「想い」を紐解きながら鑑賞してみて欲しい。
■概要
アナ・ウェイヤント「Splinter」
開催日:2022年1月29日(土)〜3月12日(土)
時間:12:00〜16:00 ※完全予約制のため事前予約必須
定休日:日曜・月曜・祝祭日
場所:BLUM & POE
※お出かけの際はマスク着用の上、こまめな手洗い・手指消毒を行い、混雑する時間帯、日程を避けるなどコロナウィルス感染症対策を十分に行いましょう。
>>EDITOR’S VOICE
BLUM & POEから歩いて約2分の場所にあるWITH HARAJUKUでは、BANKSY展 GENIUS OR VANDAL?(バンクシー展 天才か反逆者か)が、2022年3月8日(火)まで開催中。まだ観に行っていないという方は、期間中に忘れずに観に行くことをおすすめします!
※敬称略
Text:miwo tsuji
INFORMATION
ポップカルチャーをダークに掘り下げる アナ・ ウェイヤント の個展がBLUM & POEで開催
- 住所
- 東京都東京都渋谷区神宮前1-14-34原宿神宮の森5F
- 電話
- 03-3475-1631
- 営業時間
- 12:00〜16:00 ※営業短縮・予約制
- 定休日
- 日曜・月曜・祝祭日
- 開催期間
- 2022年1月29日(土)〜3月12日(土)
