「ゴミ問題」「アップサイクル」を楽しみながら考える。
表参道・原宿エリアは自主的にストリートの清掃を行う地域コミュニティも多く、ゴミに対する意識が高い街という顔も持つ。そんな中で今回編集部が訪れたのは、外苑前・ITOCHU SDGs STUDIOにて開催されている、ゴミ問題を楽しく考える「捨てない。展 SDGs Summer Camp 2021」。「ゴミを減らしましょう」と言われるより、「何かに使えるかな?」と考えるほうがおもしろい。そんな発想で展開される、子供も大人も楽しめる体験型展示だ。
こちらが本展のメインビジュアル。「捨てない」という文字がビニール傘の骨やランケーブルなどでつくられており、廃材が持つ可能性をユーモアと共に感じさせるデザインとなっている。
会場内に設置されたパネルには、捨てられてしまいがちな資材を正しくリサイクルするための知識が、ポップなグラフィックと共に分かりやすく解説されている。
普段は考えない「手放したモノのその後」に思いを馳せる機会が与えられる。
実際に市場で販売されているアップサイクル商品も展示中。エアバッグを活用したバックパック。海洋プラスチックゴミを活用したトートバッグ。タイヤを活用したサンダル。広島に送られた千羽鶴を活用した扇子。世の中にはすでに、様々な想いとアイデアで、多くのゴミがアップサイクルされ、魅力的な商品に生まれ変わっているのだ。
廃材を活用した多数のインテリアにもご注目を。たとえばこちらはソーラーパネルを活用したテーブル。チェアはエアバッグを活用。
飾られたアートも、家庭、学校、施設など様々な場所から出る廃材で。会場内を歩きながら、「これは何をアップサイクルしたインテリアだろう?」とクイズ感覚で楽しむことができる。
奥のスペースでは、子供たちに大好評のミニワークショップが開催されている。コルク、キャップ、タイル、ブラシなどなど様々な「廃材マテリアル」を使い、フォント(文字)をつくる体験ができる。
「廃材で何かをつくる」という経験は、きっと今後のアップサイクル発想に繋がるだろう。
ワークショップ参加者全員に、オーガニックジュース、ペーパーパックのミネラルウォーター、エシカルなコーヒーなど、サステナブルなソフトドリンクが1杯無料で提供される(購入も可能)。
ジュースの瓶は持ち帰ることができるので、ぜひインテリアや容器として有効活用したい。
猛暑の夏。地球の温暖化を気がかりに思う人も多いだろう。環境のために、人間ができることは何だろうか。廃材をアップサイクルした椅子に座って、サステナブルなドリンクで体を冷やしながら、そんなことを考えた。
■概要
捨てない。展 SDGs Summer Camp 2021
協力:株式会社モノファクトリー/株式会社ナカダイ
開催期間:2021年7月23日(金)~8月29日(日)
営業時間:11:00~18:00
開催場所:ITOCHU SDGs STUDIO
住所:東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1F
休館日:毎週月曜日(月曜日が休日の場合、翌営業日が休館)
Text:Takeshi Koh
Photo:Nao Takeda