偶然がもたらす有機的表現と想像力
淺井裕介と高山夏希によって結成されたアーティストユニット「howra」による初個展、「偶然の地層の上に」がEUKARYOTE(ユーカリオ)で2021年6月6日(日)まで開催中。EUKARYOTEは外苑キラー通り近く、原宿幼稚園の向かい側にある3階建てのアートギャラリーだ。
「howra」は豊島区エリアにて制作活動のベースを置くアーティストコレクティブ「パルナソスの池」(淺井裕介、高山夏希、松井えり菜、村山悟郎)による「池袋モンパルナス展2.0」(2020年)を機に派生したアーティストユニット。すべての作品を共同で制作し、大作2点を含めたキャンバス作品とドローイング、セラミック作品を展示する。粘土の作品は淺井裕介にとって原点回帰とも言え、高山夏希は作品としての発表は初である。
淺井裕介は主に自然物である土、鹿の血などを用い、素材や環境から生まれる変容の世界観を描く。高山夏希は、複数の色同士が絡まりあった絵の具を盛り上げ、積層して削るなど、平面 / 立体の枠を超え、生き物とも風景とも言えるイメージを表現する。制作手法や作品の表層において異なる部分を持ちながら、素材や場所からイメージを引き出す方法論によって結びつけられた「howra」の出展作品の展開は多岐にわたる。
色や素材、互いの痕跡からイマジネーションを膨らませ、飛躍していく様を楽しむかのような有機的な表現が、鑑賞者の原始的・根源的な想像力に働きかける展示となっている。
表参道・原宿エリアもまた、時代の移り変わりに伴う文化の堆積によって変容を遂げてきた街と言える。偶然の連続が地層のように積み重なった上に生みだされた作品と、代謝しながら変わっていく街並をリンクさせながら鑑賞してみるのも面白いかもしれない。
■概要
開催期間:2021年5月14日(金)〜6月6日(日)
営業時間:12:00〜19:00
開催場所:EUKARYOTE
休廊日:月曜日
住所:東京都渋谷区神宮前3-41-3
電話番号:03-6432-9131
メール:contact@eukaryote.jp
>>EDITOR’S VOICE
2018年にオープンしたEUKARYOTEは30代半ばのメンバーを中心に運営され、その同年代、もしくはそれよりも若い世代のアーティストをキュレーション。OMOHARAREALでもかねてより注目している、代謝を象徴するような気鋭のギャラリーだ。
※敬称略
Text:Tomohisa Mochizuki
INFORMATION
外苑前のギャラリーEUKARYOTEで「偶然の地層の上に」開催中 淺井裕介、高山夏希によるアーティストユニットが初個展
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前3-41-3
- 電話
- 03-6432-9131
- 営業時間
- 12:00〜19:00
- 定休日
- 月曜日
