夜間は幻想的なライトアップも
2021年2月28日(日)、表参道のケヤキ並木沿いに「エルメス表参道店」がオープンした。
数多くのラグジュアリーブランドが軒を連ねるこの街にエルメスが出店するのは、意外にも今回が初めて。それだけに、オープンの数週間前から漫画家・竹宮惠子とグラフィックアーティスト・YOSHIROTTENが手掛けたビジュアルがラフォーレ原宿や表参道の街灯、表参道駅など街の各所に掲出され話題を呼ぶなど、街全体が盛り上がりを見せていた。
東京都内への路面店出店は、2001年にエルメス銀座店がオープンして以来20年振り。パリの建築設計事務所「RDAI(レナ・デュマ・アルシテクチュール・アンテリユール社)」が手掛けた店舗には、随所に日本へのリスペクトが感じられる。最も特徴的なのは、表参道に面したファサードだ。もともと土留めとして築かれていた石垣を囲うのは、竹林に見立てたコッパーカラーのステンレス柵。背面には間接照明が仕込まれており、夜になると石垣をドラマチックに浮かびあがらせる。
ファサードを抜けて店内へ進むと、床面には日本の畳のように配されたグリーンの石や、表参道店のために特別に織られた森の苔を想起させるラグが。2020年にエルメスのカレ・コンテスト(スカーフデザインの国際コンペ)でグランプリを受賞した現代装飾家・京森康平によるスカーフやウィンドウディスプレイ、2階へと続く階段の吹き抜けに展示された竹工芸作家・本田聖流のアートワークにも注目だ。
明治神宮の参道として整備された表参道は昨年100周年の節目を迎え、新たな歴史を刻み出したところ。そんな2021年にこの街で始まったエルメスの物語が、これからどんな展開をしていくのか楽しみだ。
※敬称略
画像クレジット:©Nacása & Partners Inc.
■概要
エルメス表参道店
オープン日:2021年2月28日(日)
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-20
電話番号:03-6712-6612
営業時間:11:00〜19:00
定休日:水曜
>>EDITOR’S VOICE
ラグジュアリーブランドはアイテムだけでなく、それを収める“箱”である建築にも魅力が詰まっている。芸術性あふれる名建築を紹介するOMOHARAREALのコラム「オモハラのファッションブランド建築 10選」も、あわせてチェックしてみてほしい。
Text:Natsuno Aizawa
INFORMATION
表参道にエルメス路面店オープン 京森康平や本田聖流の装飾、畳のような床面、石垣を囲む“竹林”など日本らしさが随所に
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前5-7-20
- 電話
- 03-6712-6612
- 営業時間
- 11:00〜19:00
- 定休日
- 水曜