自分だけのストーリーを創りに行こう
ファッションデザイナー・皆川明氏が手掛けるファッションブランド「ミナ ペルホネン」の展示会「風景の色 景色の風 / feel to see」が、2020年12月1日(火)まで、スパイラル1Fのスパイラルガーデンにて開催中。
皆川氏は本展に対して「この展覧会では、目に映る世界が皆さまの心の中で動きだし、音を奏で、空想の風景の中に身を置くような体験となれば幸いです」とコメントしている。実際に体感すべく早速訪れてみた!
さすがは人気ブランド「ミナ ペルホネン」、開店と同時に多くの人が訪れていて大盛況! こちらは、テキスタイルで海の波を表現している「ocean」だ。
「ミナ ペルホネン」は、1995年に皆川氏が自身のブランドとして「ミナ」を立ち上げ、2003年に「ミナ ペルホネン」に改名しスタートしたファッションブランドだ。皆川氏はヨーロッパ各地を旅し、フィンランドなど北欧のデザインやライフスタイル、カルチャーに共鳴し、「ミナ ペルホネン」というブランド名もフィンランド語でミナは「私」、ペルホネンは「蝶」を意味しているそう。
上下にテキスタイルが動く仕組みになっており、揺れ動くテキスタイルの波を下から眺めることができる。まるでカラフルな海の中にいる気分に
この「ocean」では、「時代と共に変化する暮らしや社会の中で、テキスタイルデザインがその変化を受け止めながらも映りゆく景色を創ること」をイメージしているという。特に変化の激しい1年を過ごした今、この鮮やかなテキスタイルが美しいデザインに変換し景色を創っていってくれることを願う。
こちらは、これまでも「ミナ ペルホネン」の展覧会などで演出を担当してきたアートディレクターの遠藤豊氏が映像を手掛けたインスタレーション「motion」。
それぞれのテキスタイルの柄が動き出し、1つのストーリーになっている。ブランド名にもなっている蝶をモチーフにした「choucho」のテキスタイルでは、蝶が羽ばたいて飛んでいく映像が流れていて、デザインそのものが命を持ったよう。
らせん状スロープを登っていくと、ふと風を感じる。壁にかかっている大型のテキスタイルが風になびいているのだ。動きのある展示が続き、テキスタイルに対して命を感じたところにさらに風が吹く。だんだんと皆川氏のいう“空想の風景の中”に引き込まれていく。
「the first atelier 1995」。皆川氏は1995年に自宅兼アトリエにて「ミナ」を立ち上げた。その頃は魚市場で働いており、文房具を分けるのにイクラの箱をもらって使っていたそう
「0→1」では「ミナ」や「ミナペルホネン」として、はじめて手掛けた家具やベビー服、テーブルウェアなど、はじめてのアイテムや事柄を紹介している。
「the first funiture giraffechair “mori-no-umi”」。横から見るとキリンの姿になるように背の両端に角に見立てた試験管を挿して花を生けている
3Fの「minä perhonen+you」には、好きなテキスタイルを組み合わせてウサギクッションやバッグをオーダーすることができるショップも
会期中に皆川氏が即興でペインティングする「happening」も実施
入口付近では「ミナペルホネン」のバッグやポストカードなどを販売している
動き続ける波、命を持って動き出す映像、風…。テキスタイルが自然の中の一部になっているように感じたこの展示会。私の空想の世界では、テキスタイルという生き物が住む森や海、草原を旅して風に吹かれている風景の中で佇んでいる情景が浮かんでいました。そんな不思議な体験ができるこの展覧会へぜひ訪れて自分だけの世界に浸ってみてほしい。
■概要
風景の色 景色の風 / feel to see
開催期間:2020年11月7日(土)〜12月1日(火)
開催時間:11:00〜20:00(19:20最終入場)
開催場所:スパイラルガーデン
住所:東京都港区南青山5-6-23
入場:無料
※予約制(peatixより)
Text:Ayaka Minoda