
7人目は表参道ROCKETの奈良 岳さんセレクトBOOK
食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋、そして読書の秋。いつも行くカフェのスタッフさん、街の書店の店長さん、レストランのシェフ…この街で働く人たちが選ぶ「おすすめの1冊」を紹介します。
今回は、表参道ROCKETの奈良 岳さんに選んでいただきました!
奈良 岳(なら がく)/アートブック、都市、建築、食文化、社会学などの本を買うが、ついつい“積ん読(つんどく)”しがち。昨年末、引っ越しを期にほとんどの本を売却。壁一面の本棚から、厳選した少数精鋭メンバーとともに新たな暮らしをスタート。
奈良さんおすすめの1冊は…
『mcnai magazine ISSUE01 “SAUCE"』 著:mcnai (mcnai)
その理由とは?
「この本は、『ユースのためのフードカルチャー』をテーマに、20歳前後のチーム「mcnai(まかない)」が作っているインディペンデントマガジンです。大学生10人で制作しています。
この号は第一号なのですが、『ソース』をテーマに、普段使っているソースには一体何が使われているのか、何をもってソースと認識し、そう呼んでいるのかなど著者であるmcnaiの視点で解き明かしていきます。掲載されているフードやレシピは、原宿の創作フレンチ「kiki harajuku」やNYスタイルのピザ専門店「PIZZA SLICE」が監修しています。
私自身、フードカルチャーに興味があり、前身であるWEBメディアをチェックしていました。しかし、そのWEBメディアを突然閉じ、紙媒体になったことで単にフードに音楽や映像などのカルチャーを組み合わせるだけでなく、エディトリアルデザインと言葉選びのセンスにより、さまざまな要素を“ソース”のように混ぜる編集物としての良さをより一層感じました。
食をおざなりにしがちな彼らの同世代に対して、DIY的感覚で料理や食を楽しみ、フードカルチャーを発信する気概が新鮮でした。若い世代の刺激的なクリエイションです!」
■mcnai
[Instagram] https://www.instagram.com/mcnaimagazine/
[WEB] https://www.mcnaimag.com/
◾️表参道ROCKETの最新情報
2020年10月30日(金)〜11月4日(水)、弱みを握る寿司屋「距離ざんまい展」が開催される。本展のテーマは、オンライン授業やテレワーク、無観客ライブ、ソーシャルディスタンスなど、生活の中に急速にひろがった「距離」。グラフィック、メディアアート、プロダクトなど、さまざまなバックグラウンドをもつ17名のアートディレクター集団「弱みを握る寿司屋」が、距離の課題(弱み)を発見し、その解決策として制作した未発表作品を披露する。
◾️表参道ROCKET
かつて、この地で愛された共同住宅「同潤会青山アパート」の“名残”とも言える建物「表参道ヒルズ 同潤館」の3Fにある「表参道ROCKET」。オーナーは「VOGUE JAPAN」「BRUTUS」など有名雑誌のデザインを手がけるデザイン集団CAPの代表・藤本やすし氏。彼が掲げるコンセプトは、“雑誌のような、クラブのような新感覚ギャラリー”。今や“若手アーティストの登竜門”とも呼ばれている。
Text:Ayaka Minoda
