気鋭のアートユニットが作り出した「Sliceされた空間」とは?
戦後前衛美術から若手現代アーティストを専門に扱うMASAHIRO MAKI GALLERYでは、3月28日(土)までアートユニットexonemo(エキソニモ)の個展「Slice of the universe」を開催中。
exonemo(エキソニモ)は、千房けん輔氏と赤岩やえ氏によるニューヨークを拠点に活動する日本人アートユニット。Windows95の発売当初からインターネット上で活動を開始し、ユーモアのある切り口と新しい視点で様々な実験的プロジェクトを多数手がけてきた。その多くは情報の世界と物理的な世界が重なり合った作品で、世の中に溢れるデジタルメディアの根本的な在り方や人々との関係性を明らかにしてくれる。
今回の展示では、過去話題になった作品に新作を加えた23点を2フロアに渡って展示し、exonemo(エキソニモ)が考える「Sliceされた空間」を出現させた。「ネットアート出身の自分たちが作品を作るということを見返すと、情報(もしくは物質)のオブジェクトをスライスし、その断面をそのまま眺めたり、切り取られたその薄い幕のようなものを別の断面に貼り付けたり……そんな行為を繰り返しているんではないか、という感覚がある。」と語るexonemo(エキソニモ)。そんな彼らが今回は情報世界も物理世界も統合された「宇宙」にメスを入れる。切り出されて露わになった「断面」に潜むものは、きっと来場者に何らかの気付きを与えてくれるだろう。
(本展では、あいちトリエンナーレで発表された「The Kiss」がギャラリー内に増殖しているので注目!)
上質でクリエイティブなアートを鑑賞できる表参道・青山エリアで、ネットアートの先駆者exonemo(エキソニモ)の新たな試みは人や街にどんな影響を与えてくれるのだろう。今までにない不思議な感覚を体感すべく、ギャラリーに足を運んでみては。
■概要
Slice of the universe
開催期間:2020年2月22日(土)〜3月28日(土)
営業時間:11:30〜19:00
定休日:日曜・月曜
開催場所:MASAHIRO MAKI GALLERY
住所:東京都渋谷区神宮前4-11-11
入場料:無料
>>EDITOR’S VOICE
青山通りに面したスパイラルのRestaurant Bar CAY(スパイラルB1F)では、写真家・松嶋豊裕氏の個展「TOYOHIRO MATSUSHIMA PHOTO EXHIBITION」を3月30日(月)まで開催中。作品は、2014年〜2019年までのNYのストリートを撮影した写真を中心に展示している。exonemo(エキソニモ)の個展とあわせて展示会巡りをしてみるのもいいかも。
Text:Rie Fujiwara
INFORMATION
リアルとネットの世界が内在する exonemo(エキソニモ)の個展が表参道で開催中
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前4-11-11
- 電話
- 03-6434-7705
- 営業時間
- 11:30〜19:00
- 定休日
- 日曜・月曜