チョコレートを通して非日常を届けたい
ここ最近、オモハラエリアではイギリス系のイベントや個展が開催されており、ちょっとしたイギリスブームだ。青山では「BRITISH COLLECTORS MARKET」が行われたり、ギャラリー「UTRECHT」ではイギリスのクリエイティブ集団「Nous Vous」による新作展が開催中だったり。
そんな矢先、イギリスのチョコレートブランド「ホテルショコラ」が日本初の路面店を表参道に11月1日にオープンという情報が。しかもイギリス国内に100以上のショップやカフェ、レストランがあり、チョコレート消費量世界最多のイギリスで1番人気のブランドとのこと。その理由を探るべく実際に訪れてみた!
「ん、HOTEL?」と思わせるロゴだが、イギリスで大人気のチョコレートショップ。名前の由来は、ホテルに行った時のような「日常からのエスケープ」を、チョコレートを通して届けたいという想いからつけられているそう。
また日本初路面店として表参道を選んだのは、感度の高い街の人に上質なチョコレートを味わってもらいたいという理由から。感度の高いテナントが多く入る「SIX HARAJUKU TERRACE」にオープンするため、より期待値も上がる。
1Fはショップ、2Fはカフェスペースになっている。1Fには様々な種類のチョコレートが並んでいる。
ずらっと陳列されたチョコレートは圧巻。その数200種類以上!迷って大変そうだが、時間をかけて自分好みのチョコレートを選ぶのも楽しそう。
「レア&ヴィンテージ」というシリーズも販売されていて、世界中で10%しか採れない希少なファインカカオのみで作られたシリーズ。産地ごとに最適な作り方がされていたり、健康に配慮し糖質を抑えたりと、美味しく上質なチョコレート作りにこだわった結果できたレアなチョコレートとのこと。
カウンターもあり、チョコレートのドリンクやスイーツ、カカオから作ったアルコールまで(!)販売している。2Fのカフェスペースで飲食もでき、テイクアウトも可能。
チョコレートドリンクは、自分が好きなチョコレートの甘さに合わせて作ってくれる。人気は甘くて優しいミルキー50と、大人な味のクラシック70。
もともと「ホテルショコラ」は、1993年に2人の起業家がオンラインショップという形で、イギリスで最も早くからチョコレートを販売したチョコレートブランド。「オリジナリティー、本物志向、エシカル」をコンセプトにしているお店だ。実際に、コンセプト通りの商品や空間を発見することができた。
オリジナリティーのある商品の一つ「CACAO GIN BAR」。これは、カカオから蒸留したジンを使ったカクテルだ。
こちらはカカオから作った「カカオビール」。既存の高級チョコレートの概念にとらわれず、新しくユニークな商品を開発を心がけているそう。
階段の途中には、かなり大きい犬が! こちらはブルドッグの「Mr.Nibs」くん。全てチョコレートで作られていて30kgもあるそう・・・! プラスチックなどではなく本物のチョコレートからできており、ここでもコンセプトの本物志向を貫いている。
2Fのカフェスペースの壁に飾られている草花も全て本物とのこと!
こちらはカカオ豆が入っていた麻の袋からできているエコバッグ。チョコレートの制作過程で使われた全てのものをなるべく無駄にしないようにしているのだとか。コンセプトの一つであるエシカルに繋がっている。
カカオ農園に農業の技術を提供し、作業してもらいそれを買い取ることで平等な関係を築き、農園の人と共存していくスタンスをとっている。
この日は特別に、それぞれのチョコレートに合わせた音楽を聴きながら試食するというユニークなイベントをやっていた。スモーキーな味わいのチョコレートにはバラードを、甘めのチョコレートにはポップな曲がセレクトされていて、曲とチョコレートのペアリングは初めてだったので興味深い体験ができた。
「ホテルショコラ」がイギリスで人気の理由は、その名の通り、チョコレートを通して伝わってくる「ホテルにいるような非日常感」ではないだろうか。
世界中で10%しか採れない希少なカカオで作るという品質へのこだわり。カカオからできたアルコールやチョコレートに合った音楽をセレクトするというユニークなアイディア。そんな、お客様を喜ばせようとするホスピタリティ一つ一つが、ホテルに行った時のような非日常感を味わわせてくれる。イギリスの人々は、非日常を求めてこの「ホテルショコラ」に通うのかもしれない。
そんなイギリス国民に愛されるチョコレートブランドが、このオモハラエリアにも非日常感を届けてくれる。日本初路面店が、昨今のプチイギリスブームをよりいっそう盛り上げてくれるだろう。
Text:ayaka minoda