フランス映画シーンの先駆的作品となった「ラ・ポワント・クールト」(1955 年) を生み出し、ヌーヴェルヴァーグ(フランスの映画運動)の母とも呼ばれるアニエス・ヴァルダの個展が、原宿のBLUM & POE TOKYOで開催される。過去、永続性、そして現在の 3つの異なる時間尺を描いた、日本語で海岸を意味するタイトルを持つ映像インスタレーション作品「Bord de Mer」 (2009 年) を中心に展開される。
アニエス・ヴァルダ 「Bord de Mer」
■会場:BLUM & POE TOKYO
■会期:2018年6月12日(火)‒ 8月4日(土) 11:00-19:00
■企画:オリヴィエ・ルノー・クレモン
■オープニング・レセプション:6月19日(火)18:00 - 20:00 ※作家本人の在廊予定はございません
アニエス・ヴァルダ 「Bord de Mer」
■会場:BLUM & POE TOKYO
■会期:2018年6月12日(火)‒ 8月4日(土) 11:00-19:00
■企画:オリヴィエ・ルノー・クレモン
■オープニング・レセプション:6月19日(火)18:00 - 20:00 ※作家本人の在廊予定はございません
ヴァルダにまつわる、寄せては返す時間の波
(2018/06/12)
6月12日(火)から、フランスを代表する映画作家アニエス・ヴァルダの個展が、BLUM & POE TOKYOで開催。東京で初の個展開催となる本展では、映像インスタレーション及び写真作品が発表される。
当時のフランス映画シーンで先駆的作品となった「ラ・ポワント・クールト」(1955 年) により、ヌーヴェルヴァーグの母とも呼ばれる彼女。「5 時から 7 時までのクレオ」(1961 年)、「ヴァガボンド」(1984 年)、「ジャック・ド ゥミの少年期」(1991 年)、「落穂拾い」(2000 年) などの作家が手がけてきた数々の映画作品は、批評的にも高い注目を集め続けてきた。
2003 年に、作家自身 の言葉を借りれば、「歳とった映画監督から若手ヴィジュアル・アーティスト」へ と転身を遂げた彼女は、時間、空間、現実性についての表象を巧みに、立体作品やインスタレーションを通じて表現している。
本展では、過去、永続性、そして現在といった 3 つの異なる時間尺を描いた、日本語で海岸を意味するタイトルを持つ映像インスタレーション作品「Bord de Mer」 (2009 年) を中心として展開。正面のスクリーンに投影されたスチルイメージは、海景を映し、床上の台座には、寄せては返す波の動きを繰り返す映像が投影されていて、作家の心象風景とも呼べる一連のイメージ群は、観る者の足元へ向かって伸びていく小さな砂浜と溶け合っていくという。
また、1950 から 60 年代に制作されたヴィンテージ・プリントも同時に公開。 本作品は、ヨーロッパの街角を背景に、ヴァルダ作品に度々登場する彼女の偏愛的モチーフである猫への眼差しを捉えたもの。作家の初期のモノクロ写真作品が持つその洗練さは、その後に作家が生み出していく革新的な映画作品の萌芽を示していると言えるだろう。
ほどなくして映画の分野で脚光を浴びるようになった作家にとって、写真というジャンルは、数々の映画作品や「Bord de Mer」といったヴィジュアル・アート作品の創造とも密接に結びついている。映画界に大きな足跡を残したヴァルダの東京初披露となるヴィジュアル作品を、見逃す手はないはずだ。
アニエス・ヴァルダ
フランス・パリを拠点に活動。2014 年、ロカルノ国際映画祭にて、名誉豹賞を受賞。 2015 年には、カンヌ国際映画祭名誉賞を受賞し、2017 年には第 90 回アカデミー賞 名誉賞を授与された。これまでに、イクセル美術館 (2016 年、ブリュッセル)、ポン ピドゥー・センター (2016 年、パリ)、シカゴ大学 Reva and Logan Center Exhibitions (2015 年)、ロサンゼルス・カウンティ美術館 (2014 年)、アンダルシア現 代美術センター (2013 年、スペイン・セビリヤ)、CAFA 美術館 (2012 年、北京)、セ ラルヴェス現代美術館 (2009 年、ポルトガル・ポルト)、ハーバード大学カーペンタ ー視覚芸術センター (2009 年、マサチューセッツ州ケンブリッジ)、カルティエ現代 美術財団 (2006 年、パリ) といった数々の展覧会を開催。また、第 50 回ヴェネツィ ア・ビエンナーレ「ユートピア・ステーション」 (2003 年) にも参加している。その作品群は、ポンピドゥー・センター、カルティエ現代美術財団、ロサンゼルス・カ ウンティ美術館、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。
作品概要&クレジット
アニエス・ヴァルダ 「Bord de Mer」2009 年
Digital HD projection, Blu-ray aspect 16:9 color/sound, video, projection, sand
Total running time: 1 minute, looped, 250 x 300 x 295 cm
© Agnès Varda Courtesy Blum & Poe, Los Angeles/New York/Tokyo.
撮影: Genevieve Hanson.
当時のフランス映画シーンで先駆的作品となった「ラ・ポワント・クールト」(1955 年) により、ヌーヴェルヴァーグの母とも呼ばれる彼女。「5 時から 7 時までのクレオ」(1961 年)、「ヴァガボンド」(1984 年)、「ジャック・ド ゥミの少年期」(1991 年)、「落穂拾い」(2000 年) などの作家が手がけてきた数々の映画作品は、批評的にも高い注目を集め続けてきた。
2003 年に、作家自身 の言葉を借りれば、「歳とった映画監督から若手ヴィジュアル・アーティスト」へ と転身を遂げた彼女は、時間、空間、現実性についての表象を巧みに、立体作品やインスタレーションを通じて表現している。
本展では、過去、永続性、そして現在といった 3 つの異なる時間尺を描いた、日本語で海岸を意味するタイトルを持つ映像インスタレーション作品「Bord de Mer」 (2009 年) を中心として展開。正面のスクリーンに投影されたスチルイメージは、海景を映し、床上の台座には、寄せては返す波の動きを繰り返す映像が投影されていて、作家の心象風景とも呼べる一連のイメージ群は、観る者の足元へ向かって伸びていく小さな砂浜と溶け合っていくという。
また、1950 から 60 年代に制作されたヴィンテージ・プリントも同時に公開。 本作品は、ヨーロッパの街角を背景に、ヴァルダ作品に度々登場する彼女の偏愛的モチーフである猫への眼差しを捉えたもの。作家の初期のモノクロ写真作品が持つその洗練さは、その後に作家が生み出していく革新的な映画作品の萌芽を示していると言えるだろう。
ほどなくして映画の分野で脚光を浴びるようになった作家にとって、写真というジャンルは、数々の映画作品や「Bord de Mer」といったヴィジュアル・アート作品の創造とも密接に結びついている。映画界に大きな足跡を残したヴァルダの東京初披露となるヴィジュアル作品を、見逃す手はないはずだ。
アニエス・ヴァルダ
フランス・パリを拠点に活動。2014 年、ロカルノ国際映画祭にて、名誉豹賞を受賞。 2015 年には、カンヌ国際映画祭名誉賞を受賞し、2017 年には第 90 回アカデミー賞 名誉賞を授与された。これまでに、イクセル美術館 (2016 年、ブリュッセル)、ポン ピドゥー・センター (2016 年、パリ)、シカゴ大学 Reva and Logan Center Exhibitions (2015 年)、ロサンゼルス・カウンティ美術館 (2014 年)、アンダルシア現 代美術センター (2013 年、スペイン・セビリヤ)、CAFA 美術館 (2012 年、北京)、セ ラルヴェス現代美術館 (2009 年、ポルトガル・ポルト)、ハーバード大学カーペンタ ー視覚芸術センター (2009 年、マサチューセッツ州ケンブリッジ)、カルティエ現代 美術財団 (2006 年、パリ) といった数々の展覧会を開催。また、第 50 回ヴェネツィ ア・ビエンナーレ「ユートピア・ステーション」 (2003 年) にも参加している。その作品群は、ポンピドゥー・センター、カルティエ現代美術財団、ロサンゼルス・カ ウンティ美術館、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。
作品概要&クレジット
アニエス・ヴァルダ 「Bord de Mer」2009 年
Digital HD projection, Blu-ray aspect 16:9 color/sound, video, projection, sand
Total running time: 1 minute, looped, 250 x 300 x 295 cm
© Agnès Varda Courtesy Blum & Poe, Los Angeles/New York/Tokyo.
撮影: Genevieve Hanson.
INFORMATION
BLUM & POE TOKYOにて、映画作家アニエス・ヴァルダの個展が東京初開催!
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前1-14-34 5F
- 電話
- 03-3475-1631
- 営業時間
- 6/12(火)‒ 8/4(土)
11:00-19:00 - 定休日
- 月曜・日曜・祝祭日