結婚する"多様な"カップルの憧れの街
南青山に『華麗なるギャツビー』の舞台になりそうなガーデンプール付きの白い洋館がある。多くのモデルや著名人が結婚式を挙げてきたことでも知られるハウスウエディング会場「青山迎賓館」だ。ここは国内外に100以上あるTAKE and GIVE NEEDSの会場の中で、最も人気が高いという。中学時代から多くの時間をオモハラで過ごしてきた野尻氏は、その理由をこのように分析する。
「青山迎賓館」外観。このような豪華な邸宅で結婚式を挙げる「ハウスウエディング」は野尻氏が日本に広めたスタイルである
出典:TAKE and GIVE NEEDS公式サイト
「『青山に一軒家』。この2つの単語の絶妙な相性がお客様の心に響く大きな要素になってると思います。表参道はファッショナブルでハイステイタスだけど、銀座よりもライフスタイルに密着しててクリエイティブ。これから新しい生活を作っていく新郎新婦の気分に合いやすい街なんじゃないかな? うちは結婚式を挙げてくれる人たちに向けて、新生活用のスプーンを自作させたりするDIY教室を開いたりしてるんだけど、そういうのがこのエリアでウケてるのも、そんな街のムードが関係してるんでしょうね」
「青山迎賓館」ガーデンプール。ハウスウエディングでは、従来の結婚式場よりも独自性の高いスタイルでの挙式が可能。クリエイティブな青山という街と好相性だ
出典:TAKE and GIVE NEEDS公式サイト
ラグジュアリー感と生活感の絶妙なバランス。これが日本を見回しても他のどこにも存在しない、新郎新婦にとっての大きな魅力なのである。「いや、"新郎新婦"にとってだけではない」と野尻氏は語る。
「以前から『青山迎賓館』は同性カップルが結婚式を挙げられる日本で数少ない会場としても知られていて、うちは年間数十件のセクシャルマイノリティの方たちの結婚式をプロデュースしていました。2015年にパートナーシップ条例を可決した渋谷区が開催した公開結婚式もうちがプロデュースしたんですよ。もともとこのエリアはジェンダー関係なく活躍しやすい街だったと思うけど、きっとこれから、表参道ではそういう方たちの結婚式がもっと増えていくはず。セクシャルマイノリティの方だけじゃなくて、障害者の方や外国人の方も含めて、マイノリティーの方たちが幸せな結婚式を挙げられる街になったら素敵ですよね」
【次のページ】>> 「ホテルをつくるなら絶対にキャットストリート」