オモハラのライバルはSNS!?
今年1月、改装中の表参道ヒルズで開催された展示会「シトウレイ・ファッションフォト エキシビション —表参道と私。今までの10年とこれからの10年—」にて、藤原ヒロシ氏をはじめとするこの街に縁のある約20名を撮り下ろしたシトウさん。撮影中に彼らから表参道の思い出話を聞くことで「この街には様々な側面と歴史があって、だからこそ多くの人々に愛されている」と感じたと話す。では、スナップの聖地だった「GAP前」が今は「東急プラザ前」…と、その歴史をどんどんと塗り替えながら移り変わるこの街を、シトウさんはどう眺めているのだろうか?
「昔の風景を懐かしく思う気持ちもありますけど、東急プラザのギラギラなエントランスがフォトジェニックだったりするとも思うし、今は今で違う魅力があると感じていますよ。建築はスクラップ&ビルドの繰り返しで、いいなと思っていたものが消えてしまうことがあるのは東京では仕方ないこと。とは言え、けやき並木の参道ならではのクリーンな印象とか、人が集まる場所であることとか、変わらない魅力がこの街には存在するので、変化していく部分、そうでない部分の両方を楽しめていますよ」
世界を知った上で、ストリートファッションは原宿がNo.1だと感じたと話すシトウさん
今では世界各地のストリートからコレクション会場まで幅広いファッションシーンを撮影している彼女だが、世界を知ることで、この街のストリートファッションカルチャーへの評価は高まる一方だと話す。しかし、ここ最近「原宿にライバルが出現した」という…!
「昔は原宿だけがファッションの実験の場だったけれど、今はもうひとつ、SNSという場も存在していますね。自分のセンスを思い切り発揮している子たちが全国に点在しているという状況。私はそんな若い子たちに、ぜひ原宿に出てきてもらいたいな、と思っています。ここは独創的なファッションを良しとするムードが数十年の歴史の中で培われてきた世界的に貴重なエリア。その文化がこれからも絶えることなく受け継がれ、それを私が撮り続けることができたら嬉しいな、と思っています」
さぁ、自分の個性に自信のある若い人たちは、今すぐ飛び切りのお洒落をしてオモハラへ出かけよう。この街で才能を開花させたフォトグラファーが突然あなたに声を掛け、新たな人生の扉を開けてくれるかもしれない。
Text:Takeshi Koh(OMOHARAREAL編集長)
Photo: Masaya Odaka