オモハラの今は、ティーンエイジャーが担っている!?
だが今、同じようなクレイジーさを持つ別の新勢力がオモハラに現れ、日本を超えて、世界のブームを作っているという。
「私が現在の表参道・原宿の未来を担ってると期待しているのは、KAWAII文化を体現しているティーンエイジャーです。きゃりーぱみゅぱみゅさんや、増田セバスチャンさんなどが代表的ですが、彼らのファッションをパリやNYの人々が真似て、世界的なブームを起こしている。実は、ファーストフード店やカフェでバイトをし、月に10万円以上も稼ぐ高校生なんて、世界中どこにもいないんです。あの子たちが自由な発想でお金を使うことで、世界で見たことのないファッションが次々と生まれている。そして、現在の原宿は、歩いている人の半数以上が外国人。世界中から、原宿の面白い物を見るために、わざわざ来日しているという状況。これからもどんどん日本のティーンエイジャーのセンスが世界でブームを起こしていくでしょう」
50歳以上も年の離れたティーンエイジャーたちの可能性について嬉しそうに話す吉澤氏
東京の中学生・高校生のファッションを世界に向けて発信する舞台となったオモハラ。20年前、同じ街でアメリカに憧れる若者に向けてハットを作っていた吉澤氏は、このように語る。
「色即是空。確固たるものなど存在せず、時代は常に変わっていくんですね。昔は『いつかNYに店舗を…』と夢見ていましたが、やめました。いま、ファッションという観点でみれば、NYよりも東京。実際にバーニーズ・ニューヨークを始めとするNYの百貨店やセレクトSHOPなどで『CA4LA』の帽子はすでに取り扱いされていますしね。昔はパリ、次はNYがファッションの最先端の街でしたが、今は東京、特に原宿だと考えています」
時代の空気を読み取る天才であり、オモハラを20年間歩いて見続けている男が言うのだから、間違いないだろう。奇抜で理解不能に思えるファッションのティーンエイジャーをこの街で見かけたら、大人たちは、彼らをオモハラの今を支える存在と捉え、尊敬の念をもって応援すべきであるようだ。
Text:Takeshi Koh(OMOHARAREAL編集長)
Photo:Iimoto Takako