無法地帯「#FR2ストリート」が原宿を変える?
今、石川さんは、アパレルの枠に捉われず、この街に新たな風を吹かせようとしているように見える。彼は「#FR2 HARAJUKU」を出店後、同じく原宿にアートギャラリー「#FR2 GALLERY」「#FR2 GALLERY 2」をオープン。この2つのギャラリーでは、SNSで見つけてきた若者にチャンスを与える形で展示を行わせており、収益は一切見込んでいないという。
SNSで活躍する若手アーティストを中心に展示の機会を提供している「#FR2 GALERY」
「今、メディアとかアパレル業界が注目しなくても、SNSの中で盛り上がっている若い人やアーティストがたくさんいるんだよね。Instagramなんかユーザーが10億人を超えるSNSだから。そういう才能のある若い子たちに、この街のギャラリーを優先的に使わせてあげることで、お客さんが感動する何かが生まれれば満足です。こないだはオーバードーズで心臓が止まりかけたときの様子を自撮りしてプリントTを作ってSNSで人気が出ているアーティストに貸しました。どんなヤバい客が来るのかと思ったらすっごい大人しそうな女子中学生たちがお母さんと一緒に来たりして…もう訳わからないよね(笑)。僕自身も、どんな未知の世界を見せてもらえるのかと期待しています。ビジネス的にも、僕らが知らないマーケットにしか次のチャンスはないと思っていますから」
TENGAとのコラボ商品など、アダルトグッズを販売するブティック「#FR2 梅」
さらに、ギャラリーの他にもアダルトグッズを販売するブティック「#FR2 梅」も出店。現在、徒歩1分圏内のエリアに、#FR2関連店が4店舗も密集する状態に。常に世界を意識しながらも、原宿で過ごす時間が増えている石川さんは、このエリアをどんな場所にしたいと考えているのだろうか。
「僕はただ世界相手に1人でも多くの人を感動させたいというだけなんですけど、まぁそのひとつとして、外国人が#FR2関連店のある一帯に来たとき、『日本にもこんなカルチャー的無法地帯があるんだ』って驚いてもらえる場所にできたらとは思っています。原宿はすでに訪日外国人のほとんどが寄る場所になってますけど、一方で、根底にある自由なムードがちゃんと伝わっていないように感じるから。今エロいこととか反抗的なこととかをある程度の規模感でできるのは俺くらいしかいないと思ってるから、頑張ってみたいね(笑)」
業界の常識を無視し、渋谷にひとつのカルチャーを作り、Instagramで世界中の若者に刺激を与えている男。その彼が、原宿という街を、ストリートからアップデートしようとしている。どこよりも自由を感じられる無法地帯「#FR2ストリート」が誕生し、世界から、SNSから、才能のある若者がこの街に集まってくる未来が、すぐそこに近づいているかもしれない。
※現在、そんな石川涼氏が、右腕となる新スタッフを募集中。詳しくはコチラの記事で!
Text:Takeshi Koh
Photo:Yusuke Iida