EUKARYOTE/次世代へ向かう “核” を抱いたアート
(2021/03/11)
「EUKARYOTE」は神宮前の路地に佇むスリムな3階建てのギャラリーだ。ディレクターの鈴木氏は「ワタリウムさんのお客様が立ち寄ってくださることも多いんですよ」と笑顔で語る。通りに大きく開かれた窓は、現代アートへの敷居の高さを感じさせない。
2017年まで神宮前エリアにあった「セゾンアートギャラリー」のメンバーが中心となって、2018年にオープンした「EUKARYOTE」。運営陣は30代半ば、そして主に扱うアーティストもその同年代〜以下の作家たちという “若さ” が一つの特徴と言えるだろう。
ジャンルレスな作品を世に送り出す彼らが意識するのは、若手を支援し、その豊かな土壌となること。感度の高い人が集まる場所だからこそ、ここで展示する先輩作家の背中を見て、アートを志す若手・学生たちには意欲や憧れを抱いてもらえたら嬉しい……とも氏は語る。
ギャラリー名は「真核生物」を意味するラテン語で、確かな核のある表現を求める姿勢を表しているそう。では「EUKARYOTE」にとってアートの核とは? と尋ねると、思いを巡らせたのち、ゆかりある作家氏の言葉を借りてこう答えていただいた。「作品に出会った時、すぐにそれがアートだと分からないモノが、アートなんじゃないかと思うんです」
細胞の核には、遺伝情報(DNA)が格納されている。ちょうどそれと同じように、このギャラリーにも、次世代へ繋ぐべき作品が鋭く息づいているのかもしれない。
※写真は、楊博による個展“Fly me to the moon” sequence1:Nightngale and Rose
(2021年1月16日〜2月7日)
Text / Photo : Mika Kosugi
2017年まで神宮前エリアにあった「セゾンアートギャラリー」のメンバーが中心となって、2018年にオープンした「EUKARYOTE」。運営陣は30代半ば、そして主に扱うアーティストもその同年代〜以下の作家たちという “若さ” が一つの特徴と言えるだろう。
ジャンルレスな作品を世に送り出す彼らが意識するのは、若手を支援し、その豊かな土壌となること。感度の高い人が集まる場所だからこそ、ここで展示する先輩作家の背中を見て、アートを志す若手・学生たちには意欲や憧れを抱いてもらえたら嬉しい……とも氏は語る。
ギャラリー名は「真核生物」を意味するラテン語で、確かな核のある表現を求める姿勢を表しているそう。では「EUKARYOTE」にとってアートの核とは? と尋ねると、思いを巡らせたのち、ゆかりある作家氏の言葉を借りてこう答えていただいた。「作品に出会った時、すぐにそれがアートだと分からないモノが、アートなんじゃないかと思うんです」
細胞の核には、遺伝情報(DNA)が格納されている。ちょうどそれと同じように、このギャラリーにも、次世代へ繋ぐべき作品が鋭く息づいているのかもしれない。
※写真は、楊博による個展“Fly me to the moon” sequence1:Nightngale and Rose
(2021年1月16日〜2月7日)
Text / Photo : Mika Kosugi