みのりんご/「ただいま!」を言いたいカレーショップ
(2020/08/28)
JR原宿駅から、線路沿いを代々木方面に歩いて3分。カレーショップ「みのりんご」は、うっかりすると通り過ぎてしまいそうなほど街の風景に馴染んでいる。カウンターのみのこじんまりとした店内は、ずっと昔からそこにあったような佇まいだが、オープンしたのは2010年とそう古くない。
一番人気はキーマカレー。一口食べると、もう一口、また一口と、どんどんスプーンが進んでいく。その美味しさの秘密を尋ねてみると、「特別なものは使っていないですよ」と店主さん。そうは言うものの、わざわざカルダモンの皮をむいて香りを際立たせていたり、水を一滴も使わずに素材の旨味を凝縮させていたり…。聞けば聞くほど、一皿のカレーと向き合うまっすぐな姿勢が伝わってくる。
スパイスや食材の扱いで何通りにも広がるカレーの奥深さに改めて気づかされたところで、ふと疑問に思う。研究を重ねるうちに、味を変えたくなりはしないのだろうか?
その答えは“ノー”。「10年続けていると、たとえば学生時代に通ってくれていたお客さんが何年か経ってまた来てくれることがある。そんなとき、“思い出の味”が残っていたら嬉しいでしょ?」
原宿は、店主さんがティーンの頃から暮らしてきた“地元”。だからこそ、変化の速い街にあって、変わらずそこにあるものを大切にしているのかもしれない。そんな変わらない美味しさは、きっと「ただいま!」を言いたい味の一つになるだろう。
Text:Natsuno Aizawa
一番人気はキーマカレー。一口食べると、もう一口、また一口と、どんどんスプーンが進んでいく。その美味しさの秘密を尋ねてみると、「特別なものは使っていないですよ」と店主さん。そうは言うものの、わざわざカルダモンの皮をむいて香りを際立たせていたり、水を一滴も使わずに素材の旨味を凝縮させていたり…。聞けば聞くほど、一皿のカレーと向き合うまっすぐな姿勢が伝わってくる。
スパイスや食材の扱いで何通りにも広がるカレーの奥深さに改めて気づかされたところで、ふと疑問に思う。研究を重ねるうちに、味を変えたくなりはしないのだろうか?
その答えは“ノー”。「10年続けていると、たとえば学生時代に通ってくれていたお客さんが何年か経ってまた来てくれることがある。そんなとき、“思い出の味”が残っていたら嬉しいでしょ?」
原宿は、店主さんがティーンの頃から暮らしてきた“地元”。だからこそ、変化の速い街にあって、変わらずそこにあるものを大切にしているのかもしれない。そんな変わらない美味しさは、きっと「ただいま!」を言いたい味の一つになるだろう。
Text:Natsuno Aizawa