【私の原宿】XBS氏が「AGITO」で過ごした原宿の日々 NITROメンバーとの邂逅
XBS(深見展啓)
ヒップホップグループNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのメンバー。「Extra Bass Speaker」の名の通り、低音域を活かした独自の声色とタイトなライミングで90年代後半よりラッパーとして活動。2000年代のストリートブランド「NITRAID」創始者の一人。NIKEやJordan Brandなど数々のブランドとのコラボレーションを手がける。その後、表現のフィールドを写真へと拡張。2025年、写真家として初の個展「FRACTAL」を開催。2026年より、マザーグース神宮前保育園園長に就任。「ラッパー園長」として話題となる。現在、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にてソロEP制作プロジェクトを展開、2/28(土)まで支援を募集中。@exbees
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神宮前六丁目最前線基地「AGITO」
神宮前6丁目。明治通りから一本入った裏路地に自分たちが手がけたブランド「NITRAID(ナイトレイド)」の旗艦店「AGITO(アギト)」はあった。「agitating point(アジテーティング・ポイント=司令拠点、隠れ家)」が名前の由来となっている。
自動ドアのセンサーは極端に近づかないと反応せず、中に入ってもさらにダミーの扉がある。隠されたレバーを倒して初めて入店できるという、まるでスパイ映画さながらのギミックを搭載していた。
その分お金はたくさんかかったけれど、自分たちが愛したカルチャーへの敬意とセンス、遊び心の結晶だった。2004年のオープン時、店の場所を明かしていなかったにもかかわらず、店前には長蛇の列ができて嬉しかったことを思い出す。
周年の時には店頭に立ってショッパーに商品を入れたり、限定のNIKEにサインしたりもした。あそこは単なる服屋ではなく、自分たちにとってのホームであり、コミュニティそのものだった。
AGITOの外観とサイン 写真提供:XBS
思えば、1990年代後半、同じ高校だったNITRO(NITRO MICROPHONE UNDERGROUND)メンバーのMACKA-CHIN(マッカチン)が裏原にある、今のCarharttの場所にあったNYのレコードショップ『FAT BEATS』で働き始めたのをきっかけに、原宿との距離が縮まった。
原宿通りに未だ健在の「Blackanny」にNITROの元メンバー、S-WORD(スウォード)が、渋谷へ向かえば世界的なレコードコレクターであり/DJ/MCのMURO(ムロ)さんが率いるセレクトショップ「STILL DIGGIN’(スティルディギン)」に、現メンバーのGORE-TEX(ゴアテックス)がいた。
原宿にいた先輩たちがとにかくキラキラして見えた。どこのブランドも破竹の勢いがあって、活気ある昼間の原宿が大好きだった。そこには確かに温かなカルチャーが育まれていたから。
そんな原宿の街に自分たちの最前線基地を構えたことは、今に繋がる全ての礎となっている。

AGITO 5周年、NITRO 10周年に発売された限定の「NIKE AIR FORCE 1 HIGH」(2009年)写真提供:XBS
Photo & Text:XBS(Nobuhiro Fukami)
Edit:Tomohisa Mochizuki
























