Chapter1>>
「怖い街だなと思った」あのとオモハラ

まずは率直にこの街に対する印象をあのに聞いた。
「渋谷とか新宿では許されないことが許されそう。日本の中でも特殊な場所だと思う」
と、話すあの。そう。この街には“自由”がある。渋谷とも新宿とも違う、ただのファッションタウンでも観光地でもない。誰かの衝動がそのまま街の色になるような、独特のゆるさと鋭さが同居し、混ざり合っていることをあのは感じ取っていた。
続けて、初めて原宿に降り立った日のことも語ってくれた。芸能の仕事を始めるタイミング、事務所へ向かう途中で電車を間違えて降りた原宿駅では、少し歩いただけで何人もの大人に声をかけられ、圧倒されたという。
「大人たちにいっぱい声をかけられて、怖い街だなと思った」
あのはそう振り返る。しかし、その“怖さ”は、何度も足を運ぶうちに“安心”へと変わっていった。
「洋服や古着を買うのも原宿。何度か来て、この街の自由さを理解してから、落ち着く場所になった」
インディーズ時代、竹下通りにちゃぶ台を置いて、雨の中ゲリラ撮影でライブ告知したこともあるそうだ。 その“無茶”が似合ってしまうのも、あのと原宿という街だからこそ。
“怖い”というと、サカベもちょっと違う種類の恐怖体験をオモハラの街でしたことがあるらしい?
Chapter2>>
ホラーがファッションになる街!?
サカベは表参道・原宿の最初の店舗「grounds STORE 001」の物件を内覧した時を振り返る。
サカベ:最初の店舗を出したのはキャットストリートの裏手にある古民家で、なんだかお化け出そうだなと思った。でも、それが良かったので借りました。僕、お化けに会ってみたいんですよ。
あのはびっくりしつつ、
あの:ぼくはお化け苦手だけど、そんな人いるんだ(笑)
と言いながらお互いに「心霊系のYouTubeをつい見てしまう」という意外な共通点が発覚した。さらにサカベは
サカベ:ホラーの良さって身近にありながら、すぐ別の世界に連れて行ってくれて没入させてくれるところ。ファッションもそうなんです。だから、どうしたらホラーをファッションに落とし込めるかを考えてしまうほどに好きですね。
2023年「grounds STORE 001」オープン時の写真。編集部撮影。 DAIKEI MILLS代表の中村圭佑氏が手がけた店舗はリアルな古民家の質感を残しつつ、どこか異世界を感じさせる
それを聞きあのは納得した表情で言う。
あの:groundsって“別の世界に連れ出してくれる靴”だと思ってたので、根っこにホラーがあるのはすごく腑に落ちました!
と表情をゆるめ目を輝かせた。
確かに、考えてみればgroundsのモダンなアッパーとソールの組み合わせは洗練さを纏いつつも、どこかおどろおどろしさを感じる。見方によってはクリーチャーやエイリアン、日本で言うところの妖怪チックな表情と捉えられるかもしれない。

後述するが、HELL BLAUのコレクションテーマは「学校」だ。「学校」といえば、ホラーとは切っても切れない舞台でもあり、日本の学校特有の空気感はある種、異世界的と言えるかもしれない。
“ホラー”ですら、感性と交わればクリエイティブの材料となる。なんとも表参道・原宿という街の創造性と包容力を感じるエピソードだ。そんなサカベは現在、groundsの店舗を3店舗を出店。どのように街を見つめているのだろうか?
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「訪れる人が生むファッションが面白い」/あの「学校は嫌い」 “上履き”に込めたあのの思い




























