【私の表参道・原宿】ペインター・MHAKが10年前の個展で感じたこと この街らしいコントラストとギャップとは
MHAK
1981年會津若松生まれ。ペインター。GALLERY TARGET所属。空間と絵画を共存させることをテーマに、自身が生み出した“模様” をキャンバスから巨大なミューラルに至るまで、様々な手法を用いて描く。国内をはじめとして、アメリカやオーストラリア、イタリア、アルゼンチンなど世界中様々な都市で作品を発表。これまでにLEVI'S、adidas、RVCA、THE NORTH FACEなどをはじめとする多くのブランドへのアートワーク提供なども勢力的に行っている。また、自身のバックボーンでもあるボードカルチャーとの親和性を重んじつつ、同時にコンテンポラリーアートの世界においても多くのファンを持つなど、様々なシーンへの影響力を高めている。2025年11月27日(木)〜10年ぶりの個展『C.W.L.』を開催。
MHAK 『TEN』AOYAMA ART BREEZE(2015)
それはまるで迷彩のように
原宿は上京した18の頃から通う、大好きな街。色々なものと人、文化が曖昧に交わっていることで、この街は次々と表情を変え、馴染みながらも他の街にはない個性を放つ。まるで、迷彩のような街であり、迷彩が似合う街だとも思っている。
10代からスケート、スノーボードのカルチャーにどっぷりだったこともあり、横ノリのカルチャーで繋がるミューラル(壁画)を描いてきた。性に合っていることもあるし、それは今もブレていない。なのでキャンバスに向き合うことは少なく、自然と個展をする機会は少なかった。
2015年、憧れていた原宿のギャラリー「GALLERY TARGET」の水野(水野桂一)さんに個展のオファーをもらった。初めて個展を開催した時から約10年の節目に青山の「AOYAMA ART BREEZE」との二箇所同時開催。国内のコンテンポラリーなアートギャラリーでの個展は初めての経験であったし、レセプションの前日にプレビューデイという日が用意されるなど、カルチャーショックを受けた事は未だに鮮明に覚えている。
プレビューでは缶ビールではなくワインやシャンパン、フィンガーフードが並べられ、自分の作品のプライスだって今までとは桁違い。なのに、作品が売れていく。仲間内ではなくて、知らない人が僕の作品を次々に買っていくのだ。僕ははじめましてだけど、向こうは僕のことを知っている。というのも不思議な感覚だった。
「高いのにすごいな」と内心思いながらも、作品を買ってくれた人に感謝の気持ちを伝えた。嬉しさの反面、この環境に慣れてしまうのは怖いとも思った。まだ尖っていた時期でもあったし、猜疑心が生まれ、しばらくはアートギャラリーでの個展からは離れる事に。
レセプションへは沢山の仲間たちも駆けつけてくれて、ギャラリーの前にスケボーの板が並べられている風景が面白かった。会期中も「AOYAMA ART BREEZE」のギャラリスト・安齋さんに、「普段は見ないようなスケボーを持った子たちがたくさん見に来て、今までにないくらい忙しかった」と言葉をもらった。
ハイとロー、ストリートカルチャーとアートの境界線が曖昧に入り混じる様は、まさにこの街らしく、思い返せば自分らしい個展が出来たと思う。
それから10年、その間も色々な経験を積ませてもらい、人として少しは成長出来たかな?というタイミング。再びGALLERY TARGETでの個展となる。今回は“迷彩”をキーワードに、さまざまな生きる者の形、色を自分の解釈で作品に落とし込んでみた。人と文化が迷彩のように違和感なく入り混じるこの街で、僕の描く“迷彩”がどのように映るのか楽しみだ。
Text & Photo MHAK


























