【私の表参道】「どのフェスよりも緊張した」元CHAI・ベースのYUUKIが、藤原ヒロシと立った表参道WALL & WALL
YUUKI
4人組のバンド・CHAIの元メンバー。CHAIではベースや作詞、アートワークなどを担当。2024年3月解散後からは、アパレルブランド“YMYM”でアパレルやライフスタイルグッズなどを手掛けたり、アートイベント“Art Culture Street.(ACS)“の主催を務める。同時に自身も作家としての活動を行うなど、これまで以上にマルチなクリエーターとして活動中。2025年8月16日(土)・17日(日)、これまで6回にわたり開催されてきたYUUKIが主催するアートイベント「ACS」が、表参道ヒルズ「スペース・オー」で初開催。

吐きそうなほどに張りつめた壁が、音とやさしさで溶けた夜
ヒロシさんが2018年にアルバム「slumbers」をリリースするちょっと前、2017年にフェンダーローズ*1奏者の猪野秀史さんとツアー*2を行い、私もサポートメンバーとして参加した。
CHAIとして、CHAIのメンバーとしか演奏をしたことがなかった中での急なサポートの話で、それがヒロシさんだったのは人生で1番緊張したと言ってもいいだろう。おそらくCHAIで回った世界中のどんなフェスよりも(笑)。同じく声がかかったCHAIメンバーの、やる気で燃えてるユナとは対照的にビビりまくっていた。
全国4ヶ所を回ったツアーはあっという間にファイナルを迎えた。舞台は表参道WALL & WALL。私はWALL & WALLでライブをすることも初めてだった。ハコの壁が可動式で、レイアウトをアレンジできるという、お洒落なライブハウスなんだけど、そのバックステージでライブ前に記念写真を撮った。
大先輩の2人と、若手のリズム隊が2人(しかも女性)というちょっと(だいぶ?)変わったメンバーで、一旦は最後となるステージ。緊張してガチガチだった毎日を思い返していた。もちろん、この時も緊張していたけど。
それでも、スタジオでのリハやツアーの日程を重ねる中で、ヒロシさんも猪野さんも、まわりのスタッフもみなさんすごく優しくて、たくさん笑った。その積み重ねで、少しづつ緊張の壁が柔らかくなっていったのだと思う。
そして、この日のライブのMCで、ヒロシさんが私とユナをイジってくれた。
「このふたりはタメ口でしゃべってくるんだ」
観客にドッと笑いが起きつつ、私自身ヒリヒリしたのを覚えている(笑)。嬉しさと気恥ずかしさとさまざまな感情が交錯して、その瞬間に私の緊張の壁は溶けてなくなった。
最初は吐きそうなくらいだったのに、この日にここでツアーが終わってしまうのは、ほっとしつつもちょっとだけ寂しさも。でもやっぱり無事に終わって安心が大きかったな(笑)。
それ以降、サポートバンドはしていないので人生最初で最後の経験となった。この街は私にとって後にも先にもない、大きな緊張の壁を乗り越えた場所として記憶に残っている。
スタジオにて
Text & Photo:YUUKI
Edit:Tomohisa Mochizuki
*1エレクトリックピアノの一種。「ローズ・ピアノ(Rhodes Piano)」と呼ばれ、フェンダー社の「フェンダー・ローズ」が特に有名
*2 「STÜSSY PRESENTS: FUJIWARA hiroshi INO hidefumi FW 2017」

























