「最近、ヒロシくんとは昔の原宿の話を良くする」
「ヒロシくんとは同い年なんだけど、最近になってあの頃はどうだった、どこになにがあった。そんな話をよくするようになったかな。そもそもそういう話ができる人は限られているんだけどね。もう40年くらい前の事を振り返っているから、ついてこれる人や、その頃の原宿を知っている人がそもそもいない(笑)」
宇一さんと藤原ヒロシさんは、お互いに面識がなかった20代の頃からの原宿を振り返っているそうだ。
「ヒロシくんはもう20歳になる前に東京、原宿周辺にいてさ。僕は東京出身だけど、ミーハー心で行っていたお店が、ヒロシくんの知り合いがやっていたお店だったり、記憶の中で交わって話が繋がるのは面白いよね。すでにカルチャーの中にいたヒロシくんと、好奇心でそれを眺めていた僕。時を経てこうして一緒になにか場所を作れるっていうのは本当に素敵なことだと思うよ」
そんな原宿の大先輩、街の変遷を見続けている藤原ヒロシさんと宇一さんは具体的にどんな話をしているのだろうか。
「“あそこの入口良かったよね”“インテリアおしゃれだったよね”なんて話を良くするかな。もうなくなってしまった店も多いけど、お店ってのは街の顔だから記憶に残ってるんだよ。V.A.も今20代の子たちが未来で語ってくれるような店であってほしいよね。“ガラス張りの外観で、カフェにアーチ型の席があってさー”とか、僕とヒロシくんのように“ああ、行ってた!行ってた!”って話してくれたら嬉しいな」

私たち世代のモントークがそうであったように、体験した人とそうでない人がいて、行ったことがない人に惜しまれるような店になってほしいと宇一さんはV.A.に期待を抱く。最後に、これから来店する人たちにメッセージをもらった。
「船長が変われば目指す先は自ずと違うところになる。ヒロシくんがきっと、今の時代に合ったところへ導いてくれるんじゃないかな。とにかく、楽しいのがいいのよ。原宿ってそういう街だから。〇〇ランドみたいな、テーマパークがないときはみんな原宿の『KIDDY LAND』に来てたんだから(笑)そんな感覚で遊びに来てほしいね。
あとは、男の子だけでも頑張ってここに来てほしいな。きっとギャルたちに占拠されちゃうと思うけど(笑)ロータスにも頑張って来てくれてる男の子たちがいるから、V.A.にもギャルに負けじと遊びに来てほしい。何しろ、楽しいのがいちばんだからね」
楽しいことがいちばん。繰り返し宇一さんが話してくれたのが印象的だった。言葉の通り、モントークの閉店以来、久しぶりにこの建物に足を踏み入れた瞬間からずっと、ワクワクが止まらなかった。表参道・原宿の歴史を知る大先輩たちが、象徴的な場所に新たな風を吹かせ始めている。2025年、V.A.にもことあるごとに通うことになりそうだ。

階下では藤原ヒロシさんがインタビューを受けていて、荒木信雄さんと並んで店内を見つめる宇一さん。そのときの二人の背がなんだか素敵だった。
■V.A.(ヴイエー)
オープン日:2024年12月15日(日)〜
住所:東京都渋谷区神宮前6-1-9
営業時間:10:00〜20:00
定休日:不定休
Text&Photo:Tomohisa Mochizuki



























