【私の原宿】なごん/NAGONが生まれ育った『流動性』の街で 自身の個展を振り返る
なごん/NAGON
1998年東京都渋谷区生まれ。墨と筆を巧みに使い、モダンジャパニーズを表現する現代アーティスト。自然界の多種多様な流れからインスピレーションを受け、直感で筆を走らせながら客観的にアートとして捉えることで”モダンアートとして生きる書道”を追求し、伝統文化を独自のスタイルで表現し続けている。動画メディア「McGuffin」への出演に加え、「Schott」の特集にも登場するなどファッションシーンからも注目されている。2024年11月2日(土)〜11月24日(日)まで北青山・STREET DREAMS STUDIOS TOKYOで個展「ink brush art -birth-」を開催
2023年9月“Ink brush art”in 渋谷 at mysha galleryにて
『流動性』
1998年に渋谷区で生まれ、渋谷区で育った。
七五三も成人式も明治神宮。
人生の節目はいつもここだった。
そしてアーティストなごんとしての節目も、この地だった。
幼少期から好奇心旺盛で、色んなことに熱中した。
今思うと色んなカルチャーが生まれるこの地で、一つの事に熱中する方が難しかったのでは、と思う。
常に新しさがあり、この地は「何者にでもなれる」と思わせてくれた。
ただどこか、人様の興味や流行りに敏感で、移り変わる速さへの寂しさも感じていた。
私は現在、アーティストとして活動している。
墨を使い『流動性』をテーマに描いている。
だからこそ、アーティストなごんとして初めての個展は、やはりこの地を選んだ。
『流動性』を体現する街、原宿はキャットストリートの中にあるギャラリーで『流動性』をテーマとした個展を開いたのである。
幼少期から感じていた原宿・表参道への期待、そして移り変わりゆく寂しさが今の自分を作り出し、私なりの表現でこの地に立った。
この寂しさは決してマイナスな感情ではなく、アーティストなごんとしての活力であり、この地が教えてくれた尊い儚さなのだと思う。
これからも、原宿・表参道はカルチャーができ、移り変わり、人と共に生きていくのだと思う。
そこには常に力強いエネルギーと儚さが共存しており、そんな姿が私は大好きだ。
私として、アーティストなごんとしてこの地の様に移り変わっていく。
またいつか、人生の節目にこの地を選ぶのだろう。
Text&Photo:NAGON