NOW & THEN、これからの街を記録していくために
表参道や原宿と聞くと、かつての姿が頭に浮かぶ人も多いだろう。90年代、2000年代、そして現在。ファッションのトレンドや街並みは大きく変わったが、その時代ごとに息づいている文化や人々の思い出は色褪せることはない。
例えば、昔の表参道は、洗練された大人の街という印象が強く、少し足を踏み入れると背筋が伸びるような空気感があったし、一方で原宿は若者の自由とエネルギーが溢れる場所。竹下通りの喧騒や、裏原の個性豊かなショップは、まさに若者文化の象徴だった。
2024年4月、ラフォーレ原宿で大々的に行われた「FRUiTS ARCHIVE EXHIBITION 1997-2003+2024」。当時の感性を、アーカイブされた誌面や展示写真を通して受け取ることができた。
しかし、今の表参道や原宿は、かつてのイメージと融合しつつ、さらに多様化している。大人と若者、伝統と革新が交差する街として、訪れる人々の層もより幅広くなっている。それでも、どの時代にも共通しているのは、街を歩く人々一人ひとりの思い出や、エピソードがこの街の魅力を形作っているということ。
同展期間中のラフォーレ原宿 B0.5F「愛と狂気のマーケット」ではFRUiTSの全バックナンバーを展示販売。あらためて読み直してみると、当時の空気感を知るにはこれ以上ない文化の教本。
「HANGOUT OMOHARA」では、こうした個々の思い出に焦点を当て、街の「今」を切り取るだけでなく、その背後にある「過去」や「未来」にも目を向けるきっかけになればと思う。
時代が変わりファッションの流行が変わっても、この街に集まる人々の多層的な感性は変わらないということを、取材をしていると実感してやまない。今まで参加してくれた人たちに感謝を!
表参道・原宿という街を歩く人々が何を感じ、どんなストーリーを抱えているのか。それを知ることで、私たち自身の記憶にも、また新たな街の姿が刻まれていくはずだ。
「HANGOUT OMOHARA」では表参道・原宿の面白い街のエピソードを持っている、あるいは街への愛を語れる人なら誰でも大歓迎。
街でゲリラ的に声をかける取材スタイルがベースだが、自薦、他薦問わず、我こそはと思う人はInstagramのDMやウェブサイトのコンタクトからも気軽に連絡してほしい。参加してくれた人には特製ロゴステッカーもプレゼント。街で編集部員に声をかけられたら、ぜひ参加してみて!
Text:Tomohisa Mochizuki
Photo:OMOHARAREAL編集部