神宮前交差点から登って行って、エルメス表参道の手前を右に入ると通りの喧騒からは一転して静かな空気が流れている。突き当たり手前、新築のビル1Fに、新しいGALLERY TARGETが入っている。ギャラリーでは忙しなくレセプションの準備が行われていた。
合間に談笑するジェフ。リラックスしたムードが素敵だ。スケーターでもあるジェフの足元はしっかりVANS。
そんな中、ジェフ・マクフェトリッジがエルメス表参道の方からやってきた。合間にチームでコーヒーでも飲みに行っていたのであろうか。リラックスした様子で笑顔を浮かべている。ジャケットに黒のDickiesを合わせていた。高級ブランドのジャケットではなく、ワークウェアブランドをサラッと着こなしているのがカッコよくて印象的に映る。
GALLERY TARGETの地下に位置するスペースでは、ジェフによるスケッチ作品が並ぶ。キャンバス作品と見比べると面白い。
挨拶を交わしさっそく、GALLERY TARGETで今回、個展を行うことになった経緯をジェフ・マクフェトリッジに尋ねてみた。
「GALLERY TARGETのことは何年も前から知っていたし、興味があった。けれどギャラリーで展示をする機会には今まで恵まれなかったんだ。」
そんな両者を結びつけたプロジェクトが2022年に行われた「DAIWA PIER39」とジェフ・マクフェトリッジによる展覧会「Double Sided Landscape」だった。GALLERY TARGETの展覧会ページにも記されているが、GALLERY TARGETがコーディネーションを担当したプロジェクトである。
「その時は中禅寺湖(栃木県・日光市)の湖畔で行ったもので屋外だったから、やっと今回実現したんだけど、何が特別って、新しいスペースでの開催なんだよね」
ちなみにGALLERY TARGETで個展を行うタイミングがなかったことにはコロナ禍は特に関係ないそうだ。「ただ、(お互いの)タイミングだよ」と言うので「今が最高のタイミングだと思います」と伝えた。
さて、満を時して移転リニューアルした新しいGALLERY TARGETについてはどのように感じているのだろうか。
「とても美しいよ。以前のスペースも良かったけど、この場所も素晴らしいと思う。周辺はハイブランドが立ち並んでいるファンシーなエリア。にも関わらず、ここは原宿にあったころのGALLERY TARGETのスピリットを受け継いでいると思う。」
このように以前のGALLERY TARGETや立地を交えての話ぶりから察するように、ジェフ・マクフェトリッジは表参道・原宿の街について明るい人物なのだ。その理由を掘り下げてみたい。