【私の表参道】現代美術家で銭湯ライター!? 杉本克哉が愛するギャラリーと銭湯を語る
杉本克哉
1984年栃木出身。2011年東京藝術大学大学院修了。画家。美術講師。都内の銭湯を100軒以上巡る銭湯ファンであり銭湯ライター。おもちゃやガラクタを収集し20年になる。それらをモチーフに作品制作が始まる。宗教観、生死観などをテーマに絵画作品を主な表現媒体として活動。最近では、hpgrp GALLERY TOKYOにて自身の個展「YOU ARE GOD」を開催中。
HP:https://katsuya-sugimoto.com/
Instagram:https://www.instagram.com/sugimotokatsuya/
新しい出会い
ちょうど10年前、2011年に神宮前にあったNORA HAIR SALON(現在:南青山5丁目3−10 BF FROM-1st)にて友人たちと展覧会をしました。その時に美容師の方々に作品の説明をしている写真です。
それまではギャラリーで展示することが多かったのですが、初のヘアサロンでの開催だったため、鏡や椅子、美容師が使用するラックなど、様々なオブジェクトがある環境での展示は苦戦した思い出があります。なかなか壁にネジがはいらず、絵をかけることができなかったり...普段とは異なる環境で展示する難しさを勉強しました。またそれと同時に、ギャラリーでは出会えないようなお客さまと出会うこともあり、貴重な経験の始まりでもありました。
現在(2021年3月)、南青山のhpgrp GALLERY TOKYOにて個展を開催しておりますが、私の美術活動において、表参道はとてもゆかりのある土地となりました。振り返ると2011年からNORA HAIR SALON、SPIRAL(スパイラル)、hpgrp GALLERY TOKYOの3箇所、10年間で合わせて8回展示をしており、忘れられない土地となっています。表参道で展示会を行っていると、たまたま入ってきたお客様が気に入ってくださり購入していただけるということがよくあります。NORA HAIR SALONもしかり、私にとってこの街は常に新しい出会いを与えてくれる場所ですね。
展示会場に行き、好きな銭湯「清水湯」に寄り、居酒屋「中西」でハイボールを飲んで帰ることも度々ありました。東京の銭湯を巡っている銭湯ライターとしては、100年続く老舗「清水湯」は見逃せません。炭酸湯、シルク湯が特徴的で、老舗ながらリニューアルもされて綺麗な銭湯です。毎回お邪魔するといろんなイベントをやられていて、お湯以外でも楽しめます。
そんな日々を過ごすことで最先端の街に気を張って、背伸びしてきたのが少しずつ力が抜けてきて、栃木の田舎者の僕も少しだけ、表参道に「居場所」ができてきました。
Photo&Text:Katsuya Sugimoto