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「SEEK for FREEDOM」アートディレクター・Tamio Iwayaが語る表参道&原宿【リレーコラム Through My Eyes】

「SEEK for FREEDOM」アートディレクター・Tamio Iwayaが語る表参道&原宿【リレーコラム Through My Eyes】
(2019/11/28)
Tamio Iwaya (GraphersRock)
アートディレクター / グラフィックデザイナーとしてGraphersRockの名義でパッケージ、広告、装丁、ファッションなど多岐にわたる分野でグラフィックワークを展開し、国内外から高い評価を得ている。様々なブランドや企業とのコラボレーションを行うなど精力的に活動中。 http://graphersrock.com/
SEEK for FREEDOM
世界を代表するといっても過言ではない、歴史ある伝統的なモーターサイクルメーカー「ハーレー・ダビッドソン」からオファーをもらい、今年の4月に私のデザインしたコラボレーションモデルのバイクを制作させてもらった。その発表イベントの場に選んだのは原宿キャットストリート沿いのTHE CORNERというスペースで、これが僕の中での最も最近の原宿に関する記憶だ。
自分にとって表参道、原宿のエリアは効率よくトレンドやカルチャーをキャッチできる街というイメージが強い。世界中の様々な都市に出向いたがコンパクトなエリアにここまで世界中の「最新」が集中している場所も珍しくとても贅沢な空間だと思う。そんな原宿でプレビューさせたHarley-Davidson x GraphersRockの目的は兎に角、クラフトマンシップに裏付けられたブランドの偉大な歴史を踏襲しつつも、これからのハーレー像を新たな私なりの解釈で提示することだった。バイクが他の乗物と絶対的に違う点はエンジンという動力元に直接またがるという感覚だと思う。エンジンは力の象徴でもあるし、そんな力と同化できるようなフィーリングが最大の魅力なのではないかという点に注力して「力」をグラフィックとして視覚化し、それを車体に載せるバランスを意識した。またバイクとこれまで接点なく過ごしてきたことも返って良い結果を生んだと思う、きっとバイクカルチャーを齧ってしまっていたら、モーターサイクルはこうあるべきみたいな、これまでのマナーや伝統、哲学等々、余計な既成観念を持ってしまって、そこからなかなか脱却できなかったに違いない。当日、バイクを前に溢れるほど集まって頂いた方々を見て、ハーレーの新しさを僕なりの視点で更新できたという確信と自負を持つことができた。
ハーレーに限らず、長い歴史を持つブランドはその歴史にとらわれることなく、常に時代性を取り込みながら新しさを更新し続ける。ブランドの文脈からすると、異端と呼ばれてるような別文脈からのデザイナー起用等がハイブランドに昨今多いのも、新しい血を取り込み常に更新していく為ではないだろうか。表参道にはそんなブランド群がズラッと並び、その活気が更に街自体を更新し続けているような街だと思う。
from Jun Yokoyama
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