「虹色のストラータ」写真家・Jun Yokoyamaが語る表参道&原宿【リレーコラム Through My Eyes】
Jun Yokoyama
2015年ロンドン大学にて音楽ジャーナリズムを学びながら、ミュージシャンと友達になりたいという一心で「フォトジャーナリスト」を自称し写真を始める。ロンドンのグライムシーンで撮影した写真が海外メディアで高く評価される。現在は国内の音楽シーンをメインの活動の場としながら、海外の音楽フェスの撮影や、来日アーティストからの撮影依頼も多数。日本のアーティストの海外現場でも精力的に活動中。 http://junyokoyama.com/
Photography by Jun Yokoyama for DIESEL, 2017
虹色のストラータ
春はパレードの季節だ。今年も4月の連休中セクシャル・マイノリティと"性"と"生"の多様性を祝福する東京レインボープライドが開催され20万人が参加した。この時期になるとレインボーの意匠が原宿の街頭や店先に咲き乱れる。
2016年東京レインボープライドの期間中、私は原宿Galaxy Gingakeiで写真展を開催していた。2015年にロンドンで開催されたプライド・パレードや音楽シーン、デモ、サッカーファンなどを被写体にしたロンドンのドキュメンタリー写真展だ。それらすべてを「スタイル」として並置させた写真展。会期中に映画『パレードへようこそ』の上映、ドラッグクイーンのショー、DJイベントなどを詰め込んだ。さまざまなストリートのスタイルが並列的に存在する、とても原宿的な写真展だったと思う。
様々なスタイルが混じり合いながら交差し、新たなトレンドの風がどこからか吹き抜ける原宿。日本のどこにだって多様性はすでに存在している。けど、わざわざ虹色に着飾って多様性を祝福するなら、その舞台は原宿がふさわしい。ただレインボーを見かけたとしても何を意味しているか知らない人もいるかもしれない。しかし、それはスタイルだからこそ他の誰かに伝わっていく。
皮相的な街に溢れる春の虹色は、みんなにとっての原宿の記憶となり、プライドの思想としての虹色は、ずっと街の奥深くに堆積しつづけていく。
from UMMMI.
to Tamio Iwaya