
オモハラみんなのフォトアルバム No.68
1967年、表参道に現存する神宮前五丁目歩道橋が写っている1枚です。
ネガを掘り起こし、アーカイブしていく作業の中で、わざとブレを使って表現するなど、アート的な写真と思えるようなコマの並びの中にあった写真です。時には丸々1本のフィルムがブレてしまっていることもあるほどでした。
おそらく、写真の練習の一環で、街をアートとして切り取るように写していたのでしょうか。その中から鮮明に、当時の表参道を斬新な視点で映し出していた1枚。歩道橋を見上げるように写す構図はなかなか珍しい気がします
1967年から、長年、表参道を見守り続けている神宮前五丁目歩道橋。歩道橋の向こう側は、現在のラルフローレンなどがある場所です。ラルフローレンの建物ができてから既に20年近くが経っていますので、その以前を知ることのできる貴重な写真でもあります。
見える範囲での周辺の建物には、商業性も感じられず、どことなく郊外のロードサイドのような雰囲気。普段全く気にしない歩道橋の裏側も、60年後の現在と同じなのは不思議な感じがします。
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CAC(Commons Archive Collective)について
こちらの写真を提供いただいたコモンズ・アーカイブ・コレクティブ(Commons Archive Collective、略称CAC)は、埋もれたまま失われつつある記録を整理するアーカイブの構築と、それを視覚体系的にデザインし、記録の価値とともに資産として広く共有することを目的に活動している団体です。この写真はCACのメンバーである大西陽介さんのお父様である故・大西忠保さんが撮影したものとなります。
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写真と同じ場所の現在は?
歩道橋自体にはほぼ変化はありませんが、近年は全国的に歩道橋の老朽化が懸念されていて、将来的に外されてしまう可能性も十分あります。(2014年、明治神宮入口の歩道橋はすでに撤去されてしまいました)
表参道をまたぐこの歩道橋は、表参道を見渡せる絶好の撮影スポット。この上からの景色、大事にしたいと思います。
普段、何気なくその下を歩いていますが、撮影した大西忠保さんは、できたばかりの歩道橋を美しく収めたかったのかも。と想像してしまいました。表参道のヒストリーを辿るコラム記事も併せてチェックしてみてください。
OMOHARAREALでは過去の表参道・原宿(オモハラ)の街の写真と思い出を集めています。『Chapter 1』〜80's(公開中)と、『Chapter 2』90's〜(2025年公開予定)にぜひご参加ください!
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