
オモハラみんなのフォトアルバム No.59
歩行者天国で賑わう表参道を撮影した1枚です。右奥には神宮前交差点と、表参道を象徴する灯篭が写っています。
補助輪付きの自転車にまたがる親子は、きっと自転車に乗る練習をしているのでしょう。今では繁華街となった表参道で、生活の営みを感じられるような温かい光景が納められているのが新鮮だと思いました。
今の表参道からは全く想像できない光景を収めた貴重な写真です。“原宿のホコ天”こと表参道の歩行者天国は1977年から98年までの約20年間行われていましたが、今のごった返した休日の歩道を見ると今こそ必要なんじゃないか。という気すらしてきます。(「ホコ天」についての詳細は関連記事をチェック)
ホコ天が実施されたのは1977年なので施行されて1年以内に撮られた写真と推測されます。中央分離帯に腰掛ける人々、子供と自転車にまたがり練習する親子など、何気ないけれど当時の憩いと賑わいが感じられます。熱気すら伝わってくるようなグッとくるワンシーンがギュッと詰まった一枚です。その瞬間を捉えた、撮影者の大西忠保さんのファインダーを覗く慧眼は素晴らしいと感じます。
交差点の奥に見えるのはオリンピアアネックスでしょうか。周囲の欅の背も今より低く見えます。歩行者天国は安全上の問題が懸念されて廃止になってしまったみたいですが、過去の写真を振り返っていてやっぱり「ホコ天」を経験できなかったことは過去のオモハラに対して嫉妬してしまいますね。
--
CAC(Commons Archive Collective)について
こちらの写真を提供いただいたコモンズ・アーカイブ・コレクティブ(Commons Archive Collective、略称CAC)は、埋もれたまま失われつつある記録を整理するアーカイブの構築と、それを視覚体系的にデザインし、記録の価値とともに資産として広く共有することを目的に活動している団体です。この写真はCACのメンバーである大西陽介さんのお父様である故・大西忠保さんが撮影したものとなります。
--
写真と同じ場所の現在は?
同じアングルを探すにあたり、意外にもポイントとなったのが左端の消火栓の看板と、右端の灯篭でした。灯篭はわかるとしても、消火栓が不動のポジションというのは言われてみれば、、という感じですね。
交通渋滞の回避、安全性の確保として、ホコ天の中止も、中央分離帯の柵の設置も致し方ない変化かもしれませんが、安全のための規制というものは、失うものも多いのだなと改めて感じさせられます。
OMOHARAREALでは過去の表参道・原宿(オモハラ)の街の写真と思い出を集めています。『Chapter 1』〜80's(公開中)と、『Chapter 2』90's〜(2025年公開予定)にぜひご参加ください!
詳しくは募集記事をチェック
