
オモハラみんなのフォトアルバム No.54
1978年、人々の往来で賑わう表参道と明治通りが交わる神宮前交差点で撮影されたものです。現存するビル「グリーンファンタジア」、工事中の「ラフォーレ原宿」、そして明治通りを挟んで「原宿セントラルアパート」が向かい合う、まさに“原宿”を象徴する写真です。
原宿の象徴ともいえるラフォーレは、建設途中でまだ鉄骨が剥き出しの状態ですね。でも、その印象的な円筒型の筐体と位置から、工事中でもラフォーレらしい佇まいが感じられるのではないでしょうか。
建設中で、鉄骨が剥き出しのラフォーレを収めた、貴重な1枚。モノトーン、フィルムのシワなど様々な要素が、この写真の色っぽさを際立たせてくれている気がします。
セントラルアパートに掲示されている広告は、サントリー「メルツェン」というビール飲料。同時期に撮影されたであろう写真も、他の方から提供いただいているのですが、人と同じ目線でのアングルから眺めると、また一味違った味わい深さがあります。
今よりも少し空が広く感じる交差点、セントラルアパートの存在感など、食い入るように眺めてしまいますが、この写真の素敵なところは、人が多くそこに収まっていることの気がします。街を行く人たちの服装からも時代感が窺えますね。
このように当時の街の人たちの息遣いを感じるのがこの写真の魅力と言えるかもしれません。何気なく、普通にこの街にいた人々。それがしっかりと読み取れるからこそ時代感と温度感とが加わり、特別な写真と感じることができるのだと思いました。
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CAC(Commons Archive Collective)について
こちらの写真を提供いただいたコモンズ・アーカイブ・コレクティブ(Commons Archive Collective、略称CAC)は、埋もれたまま失われつつある記録を整理するアーカイブの構築と、それを視覚体系的にデザインし、記録の価値とともに資産として広く共有することを目的に活動している団体です。この写真はCACのメンバーである大西陽介さんのお父様である故・大西忠保さんが撮影したものとなります。
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写真と同じ場所の現在は?
ご存じの通り、グリーンファンタジアビルとラフォーレは今なお健在、セントラルアパートはオモカド(東急プラザ表参道)へと変わりました。神宮前交差点は未だオモハラの街の玄関口として存在感を放っています。
CACの皆さんが写真を整理した際、やはり神宮前交差点を撮影しているものが多かったそうです。当時も今も“原宿”を象徴する場所だったことがうかがえますね。
OMOHARAREALでは過去の表参道・原宿(オモハラ)の街の写真と思い出を集めています。『Chapter 1』〜80's(公開中)と、『Chapter 2』90's〜(2025年公開予定)にぜひご参加ください!
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